研究課題/領域番号 |
20K14032
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
嶋田 みのり 東北学院大学, ラーニング・コモンズ, 特任助教 (40713996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラーニング・コモンズ / 学習支援 / グループプレゼン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、学生のグループ学習の実態や問題点を明らかにし、ラーニングコモンズにおけるグループ学習に対する学習支援の在り方を検討することである。 本年度は、論証型のグループプレゼンテーションに取り組んだ学生を対象にアンケ―ト調査を実施し、グループプレゼンに取り組む学生が感じる困難点とラーニング・コモンズで実施する学習支援の内容について検討した。アンケート調査の結果、学生が感じる困難点をプレゼンのプロセスごとに「テーマ設定」「情報収集」「構成検討」「資料作成」「口頭発表」「全体」の6つに整理し、個人活動でも想定される共通の困難点とグループ活動特有と思われる困難点の2軸に分類することができた。またそれらの結果から、ラーニング・コモンズにおける学習支援について検討し(1)アイスブレイクやメンバーとの関係性を深めるための支援(2)グループでの話し合いや合意形成スキルに関する支援(3)グループウェアやコミュニケーションツールに関する情報提供及び使い方に関する支援(4)グループチュータリング(5)先輩学生などの優秀なプレゼン資料や発表をみる機会の提供の5点の支援を提案した。 今後、学生だけでなくグループプレゼンを課す教員に対するヒアリング調査や、ラーニング・コモンズで活動しているグループを対象に調査を実施し、グループプレゼンに取り組む学生を対象とした学習支援の内容や方法についてさらに検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査により、グループプレゼンに取り組む学生が感じる困難点を整理することができた。一方でコロナ禍以降感染対策によりラーニング・コモンズの学習環境や利用状況が大きく変わったことや、次年度キャンパス移転に伴い所属大学のラーニング・コモンズの利用状況が大きく変わることが予想されることから、当初実施する予定だったラーニング・コモンズでの調査を次年度に行ったほうがより適切なデータを取得できると考え、次年度に行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗状況を踏まえ、研究期間を1年延長することになった。 2023年度はこれまで取り組んできた調査の結果を踏まえ、グループプレゼンの課題を課す教員やラーニング・コモンズで活動する学生を対象としたヒアリング調査を実施することを予定している。また、いくつかのグループを対象に実際に学習支援を行い、適切な介入方法や支援方法、授業との連携の仕方などをティップスとしてまとめていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はラーニング・コモンズにおける調査を実施予定だったが、ラーニング・コモンズの利用状況等から、次年度に調査を実施するほうがより適切なデータが取得できると判断した。ヒアリング等の調査に必要な機器類を購入予定である。 また、前年度に引き続き、参加予定の学会がオンライン開催となり、旅費の必要性がなくなったが、次年度は、対面での学会参加が増えることが予想される。これまで行ってきた調査や次年度以降に行う予定の調査をまとめ、関連学会で成果発表を行う予定である。
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