研究課題/領域番号 |
20K14037
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
吉田 千春 中央大学, 法学部, 助教 (70438951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国際教育寮 / BEVI / 評価 / レジデントアシスタント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国際教育寮の質向上に資するため、寮生とRAの成長・学習成果を定量的かつ定性的な手法を用い客観的に測定し、寮生及びRAの育成プログラムを開発し、ガイドブックを作成することで、より教育効果の高い国際教育寮の運営に寄与することである。2021年度は主に文献調査、BEVI調査、インタビュー調査を実施した。 文献調査については、アメリカの大学における寮に関する論文の知見を整理し、それに加え、レジデントアシスタントに焦点を当てた書籍および初年次教育に関する論文・書籍を収集し、研究の動向を整理した。 BEVI調査は、今年からBEVIのバージョンが変更になったため、新しいバージョンを使用して調査を行った。今年度は研究対象とする国際寮において、計画通り1年間に3回実施することができた。しかし、2月の回収率が特に悪く、任意参加での実施では調査の限界があることが分かった。国際寮のBEVIの調査結果については2020年度に実施した調査結果とあわせて2021年8月に行われたSIIEJのワークショップ(「客観的測定の結果の活用」)において報告を行った。また、国際寮でBEVIを実施する意義について論文にまとめ、紀要に投稿した。 インタビュー調査については、去年に引き続き、1年間レジデントアシスタントを実施した学生及び交換留学生へのインタビュー調査を行った。今年度はコロナの影響で交換留学生が数名しか来日できなかったため、限られた条件の中での調査となった。実施したインタビューに関しては、全て文字化を行い、分析を進めている。 また、レジデントアシスタント及び寮の研修プログラムに関しては、取り組みをしている大学を整理し、調査に行く準備を進めている。今年度はコロナの影響があり、他大学への調査に行くことができなかったため、次年度への課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は新型コロナウィルスの影響で来日した交換留学生が少なかったこともあり、国際寮としての機能が限られていた。また、予定していた交換留学生のインタビューの人数を確保できなかった。さらに、他大学の調査を検討していたが、コロナの影響で実施することができず、研修プログラムの開発の準備が十分に進められなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、引き続き文献調査、BEVI調査、インタビュー調査を実施する。 文献調査については、海外の文献についてさらに知見を整理し、レジデントアシスタントの育成、寮の学び、葛藤・問題、寮のプログラムに関する視座に焦点をあて、検討していく。 BEVI調査に関しては、今年度の反省として退寮時の回収率が非常に悪いなど、任意参加では調査が難しい側面が見られたが、制度として取り入れる変更は難しいため、次年度は実施時期などを見直しBEVIの調査を進めつつ、インタビュー調査をより充実させ、育成プログラムの開発に従事する。そのため、インタビュー調査に関しては、レジデントアシスタント、交換留学生だけではなく、学部留学生および一般寮生などにも対象を広げ、インタビューを実施する。また、先進的な取り組みをしている他大学への調査を実施し、それらの知見をもとに、国際寮のプログラム開発に関する研究会を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響により、参加を予定していた学会並びに研究会などがオンラインになり、研究協力者との打ち合わせにおいてもオンライン(ZOOM)会議に変更になった。また、交換留学生が来日できないという状況にあったため、インタビューの人数が確保できないなどにより、予算の一部を執行することができなかった。次年度は、学会の参加および他大学への調査を可能な限り実施する予定である。但し、会議においてはオンライン会議が引き続き行われるため、研究に必要な書籍や機器に使用する予定である。
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