研究課題
若手研究
東日本大震災による避難を経験した発達に偏りや遅れのある子どもの保護者15名に対し、障害特性のある子どもの避難支援についてインタビュー調査を実施した。その結果から、避難所での支援ニーズは、「障害特性を踏まえた支援」と「一般の子どもも含めた全体向けの支援」の2つに分類された。質問紙調査では、療育機関を利用する児童の保護者を対象に70名から回答を得た。避難所では、要支援者の把握方法や、一般の避難者への設営の工夫や配慮が役立つことが明らかとなった。
発達障害支援
これまでの災害関連の研究における自閉症を中心とする発達障害を対象とした報告は、緊急支援と併せて行われる事例報告が主であり、体系的な研究や、実証的な根拠を十分に示すことに困難さがある。そのため、調査時期は発災時に集中し、その後の避難生活や帰還・生活再建について行われた研究は少ない。今回は、被災経験のある保護者を対象に障害特性を踏まえ避難のための支援ニーズを検討する点で、今後の大規模災害時の現場の支援に役立つことが期待される。