研究課題/領域番号 |
20K14060
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
新川 広樹 弘前大学, 教育学部, 助教 (10848295)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ソーシャル・サポート / 対人関係 / ソーシャルスキル / 発達障害 / インクルーシブ教育 |
研究実績の概要 |
同一コミュニティ内の小中学校において、児童生徒1,061名とその保護者を対象としたコホート研究を3年連続で継続しており、ソーシャル・サポート、ソーシャルスキル、援助要請認知・スキル、発達障害傾向(ASD、ADHD)および心理社会的適応状態(情緒的・行動的問題および抑うつ症状)を評価する尺度を用いた調査を実施した。縦断的調査のデータベースが構築され、本データを基盤とした分析により、新たな研究知見を得ることができた。まず小学生では、内在化問題(情緒的問題)に及ぼすソーシャルサポートの影響について、保護者と教師のサポート間に交互作用が確認され、両者のサポートの保護因子としての機能がより高まる条件として、両者からのサポートが十分に得られていることが重要であることを明らかにした。中学生では、友人からのソーシャルサポートと抑うつ症状の関連における援助要請スタイルの役割について分析し、回避型の援助要請スタイルをもつ生徒はクラスメイトおよび親友からのサポートの影響が小さいことが示唆された。当該データは学術的な発信だけでなく、調査対象校および自治体へとフィードバックされ、さらに研究知見を各校にて還元するための研修会を企画することができた。 上記のほかに、インターネットゲーム依存やレジリエンスとメンタルヘルスとの関連に関する調査研究、コロナ禍において中学生にメンタルヘルス予防のための介入研究を実践し、これらの成果を複数の論文を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に得られたデータを基盤とした複数の論文が国際誌および国内誌に受理されたが、複数年度にまたがるパネルデータの分析については一部遅れており、学会発表および論文投稿に至っていない。コロナ禍の影響で参加予定であった学会も延期になるなど、発信・還元の場が限られたこともあり、当初予定と比べるとやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
調査自体は過去2年間を含む3年分のデータを含んで滞りなく実施されたため、引き続きパネルデータの分析手法を応用して論文の完成・投稿を目指す。また学会発表を予定しており、さらなる成果物の増加が見込まれる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響を受け、学会発表を予定していた学会が中止になったため、旅費に利用しようと計画していた予算に残額が生じた。次年度以降、中止となった学会にあらためて参加するほか、さらに追加調査から得られたデータをまとめ、オープンアクセスジャーナルに投稿する予定であり、そのための費用に充てる。
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