研究課題/領域番号 |
20K14065
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研究機関 | 医療創生大学 |
研究代表者 |
原田 真之介 医療創生大学, 心理学部, 講師 (70802883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カンボジア / 障害者入所施設 / 療育活動 / 臨床動作法 |
研究実績の概要 |
本研究における2020年度の研究活動では、カンボジアでの現地調査や介入実施による効果測定を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、カンボジアへの入国制限や日本からの出国と帰国の制限があり、今年度における実地調査や臨床研究は行えなかった。しかしながら、上記の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、現地スタッフによる独自の療育運営が実施され、本研究の介入法である臨床動作法の実践も行われる機会となった。このことは、日本人スタッフに頼れない現状で現地スタッフのみでの実践の定着の機会が実現したと言える。 上記に挙げたように、今年度はカンボジア国への入国が叶わなかった背景から、オンラインを中心としたインタビュー調査を主として、現地の障害当事者へのインタビュー研究を行った。また、これまでの臨床動作法の実践活動をまとめ、新型コロナウイルス拡大を契機とした現地スタッフによる臨床動作法実践の定着に至るまでの経緯を活動当事者のインタビューをもとに研究報告としてまとめてきた。 また、当初予定の臨床研究の効果測定の手段として、現地スタッフの文化的理解にも考慮した質問紙尺度を作成する研究にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により研究実施先(カンボジア)への入国が制限され、同時に日本国からの出国、渡航後の入国も制限された事情により研究の進捗が思わしくはない。しかしながら、当初の研究計画による臨床動作法定着のためのガイドブックの作成には着手するなど、日本国に身を置いて実現できる研究活動は進めているため、「やや遅れている」という区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大を契機とした、現地での臨床動作法活動の定着の経緯を明らかにしたインタビュー研究を実施し、実践報告論文としてまとめる。また、現地での臨床研究に備える効果測定の質問紙尺度の完成を図る。上記の作成質問紙は、日本語、英語、クメール語の3か国後に対応した質問紙とする。さらに、現在着手を始めた現地スタッフ向けの臨床動作法のガイドブックと映像媒体の作成を進める。作成したガイドブックや映像媒体は、現地スタッフに郵送し、使用の効果をオンラインインタビューなどを通じて確認する。以上の活動を2021年度内に完了できるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、現地調査などが行えなかったため、旅費の使用が今年度はなかった。その代替対応として、現地スタッフや障害当事者とのオンラインインタビューと現地スタッフ向けのガイドブックの作成などを進めた。そのような活動に必要な物品購入と研究成果の公表費に予算を使用した。上記のコロナウイルス拡大の世情もあって状況が読めないが、日本国とカンボジア国間の入国や出国が可能になった時点で、当初の計画に基づいた旅費予算を使用して研究実践を展開する計画である。
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