本研究は、知的障害者の自己決定の実態に関する調査を基に、自己決定に関わる学習プログラムの作成および有効性の検証を行うことを目的とした。 知的障害者114名に自己決定の実態を調査した結果、「外食先のメニュー」などと比較し、「生活する場所」などの契約行為に関する自己決定は有意に少なかった。次に、地理(お茶の種類)と日常生活(昼食の選び方)を題材とした学習プログラムを作成し、知的障害者延べ65名に実施した。知的障害者の学習特性を踏まえ、ベン図を用いた選択肢の特徴の視覚化を試みたが、達成率にバラつきが見られた。今後は選択肢の特徴を理解につながる支援ツールの改良とともに、学齢期で活用することが望まれる。
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