本研究では、社会人向けの学習機会において、研修後の受講者同士の学び合いを活性化させるために、研修での学びを実社会へ応用することで得た成果を、受講者同士で評価し、お互いの取り組みを奨励することができる、相互評価型デジタルバッジシステム(修得した能力や学修成果を電子的に証明できる仕組み)を開発することである。今年度の具体的な成果として次の2つが挙げられる。 (1)研究成果の発表:2020年度及び2021年度で実施した研究の成果を国内外の学会で発表した。具体的には、まず、デジタルバッジの研究動向について文献レビューをした結果について、日本教育工学会全国大会で発表した。また、レビューを踏まえて提案した相互評価型デジタルバッジの設計モデルを国際会議ICOME(International Conference for Media in Education)で発表した。さらに、このモデルに基づいて開発したシステムについて教育システム情報学会全国大会で発表した。この発表については、全国大会奨励賞の最終選考にノミネートされた。 (2)システムの形成的評価:開発したデジタルバッジについて、教育工学の専門家及び学習者による形成的評価を実施した。システムは問題なく機能することを確認した。また、特に社会人の職能開発では学習者がお互いの能力を可視化できるため、成人の持続的な学びに活用することが期待できると示唆された。
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