研究課題/領域番号 |
20K14095
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 奈保子 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (40846896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己調整学習 / 社会人大学院生 / 研究活動支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、社会人大学院生の研究活動における阻害要因と研究活動を完遂できる学生の特徴を明らかにし、社会人大学院生への支援モデルを構築することを目的としている。 研究1では、社会人として仕事等をしながら博士課程に在籍中、あるいは修了5年以内の23人にインタビュー調査を実施した。博士課程に入学した理由、研究活動の状況、教員からの指導やほかの大学院生との交流、研究遂行に必要なスキル、今後の研究活動について尋ねた。2023年度は、2022年度に学会発表した研究1の論文化を目指した。 研究活動の環境については、所属する研究室、研究科などが成熟した研究コミュニティであれば、博士号取得の要件をクリアするための指導や情報共有の体制が整えられていた。転職・異動や結婚・出産といったライフイベントは、研究時間の増減、フィールドの変更に伴う研究テーマの変更などに影響を及ぼしていた。また、研究機関かどうかには関係なく、研究活動が推奨されている職場とそうでない職場とでは、確保できる研究時間や研究意欲の維持、フィールドや研究資金の確保の面で大きく異なっていた。 キャリアについては、職種に関わらず、自分の現場の問題解決や職務への必要性のために博士号取得を目指していた。大学教員を目指すまたは大学教員であり続けることを目指しているものの、当初貢献したいと考えていた「現場」の役に立つには大学教員という立場は適しているのかといった迷いも見られた。また、年齢が高いことや子育て中の女性であることはポスト探しの制約となっていた。 研究活動を完遂できる学生は、指導や情報共有、支援の体制が整っていることに加え、博士号が必要であるという切実な動機、目標を達成させる自己調整スキルがあることが示唆された。本研究の意義は、「現場」を持つ社会人が研究者を目指す理由や博士号取得までの促進要因、阻害要因が明らかになった点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、対面でのインタビュー調査をすることができなくなったことで研究計画を変更する必要が生じたため。また、データの分析に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はインタビュー調査の論文化とともに、質問紙調査、支援方法の開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、社会情勢により研究遂行が遅れたためである。研究遂行のための物品費、研究成果の学会発表のための参加費、論文投稿のための英文抄録の翻訳チェック依頼費に使用する。
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