研究課題/領域番号 |
20K14097
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研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
酒井 郷平 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 講師 (00824129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報モラル教育 / 応用行動分析 / 行動変容 / 教育方法 / 初等中等教育 |
研究実績の概要 |
本研究では児童生徒のインターネットに関するトラブルを防ぐため,トラブルリスクを回避する「行動」を促進することを目指す教育プログラムの開発を行う。 具体的には,応用行動分析の知見を用いた小学校,中学校向けの情報モラル教育プログラムの開発を行うことを想定している。そこで2021年度は将来的に必要とされる情報活用能力に関する調査および教育プログラムの開発を想定した教育手法の検討を行った。 将来的に必要とされる情報活用能力に関する調査については,大手IT企業の社員を対象に今の子どもたちが将来の社会で活躍するために必要となる情報活用能力についてどのように考えているかを調べることとした。その結果,「情報モラル・セキュリティ」に関する資質・能力が,他の情報活用能力と比べて重要度が高く,それらの資質・能力は他の情報活用能力と比べて,義務教育という早い段階から育成することが望ましい情報活用能力であることが明らかとなった。 教育プログラムの開発を想定した教育手法の検討については,SNS上におけるリスクに対して危険性の認識を促すことを目指した手法の検討を試みるため,災害時の情報活用行動をテーマとした授業および教材の開発を行い,実践を通して教材の評価を行った。その結果,事前と事後の質問紙調査において「情報を読み解く自信」や「自らが誤った情報を広めてしまう危険性の認識」について,得点の平均値に有意差が確認された。このことから、本研究の実践により、防災時の情報を見極めるためのポイントの理解や自らが誤った情報を拡散してしまう危険性の認識を促すことできたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状の進捗状況とした理由として,情報モラル教育として目指すべき学習内容や教育手法の検討は行えたものの,本テーマで想定している具体的な教育プログラムの開発まで行うことができなかったことが挙げられる。また,感染症対策の影響により学校現場での実践環境に制限が生じる恐れがあるため,この辺りについて研究計画の再検討が必要である。 こうした課題については,2022年度に重点的に改善を試みる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度については,前年度までに行った研究実績をふまえ,応用行動分析を用いた具体的な教育プログラムの開発及び学校現場での実践を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により,遠方へのヒアリング調査や大規模な質問紙調査が実施できなかったことが理由として挙げられる。これらについては,次年度以降に実施を検討し,経費として使用する予定である。
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