研究課題/領域番号 |
20K14100
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
篠原 和也 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (20805775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | セラピスト / 評価尺度 / 対象者 / コミュニケーション / 介入 / 臨床適用 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
原著「Communication and Intervention Skills Assessment to Build Better Partnerships with Clients in clinical rehabilitation settings(以下,CISA)の開発のためのデルファイ法を用いた内容妥当性の検討」が2023年3月に掲載受理された. CISA案を用いて「臨床リハビリテーション場面におけるクライアントとより良い関係を形成するためのコミュニケーションと介入技能評価の開発」に着手した.理学療法士215名,作業療法士153名,言語聴覚士69名の437名を対象にCISA案のWebアンケートに回答を求めて,探索的因子分析,ラッシュ分析と残差の主成分分析,確認的因子分析,信頼性分析等の結果から,CISAの妥当性と信頼性と検討した.CISAは3因子構造とされ,固有値=2.83,Comparative Fit Index=.921,Root Mean Square Error Approximation =.065,Cronbachαは全体=.961であった.以上から,3因子,27項目のCISAを開発し,妥当性と信頼性の担保を確認した.本研究は2023年日本作業療法学会に演題登録し,リハビリテーション関連誌への論文投稿を完了した. 関連研究として「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の臨床能力および技能を測定する評価ツールに関するナラティブレビュー」に着手した.セラピストの能力や技能を測定できる評価の開発と利用状況を,医学中央雑誌Web Ver.5とPubMedを用いたナラティブレビューから明らかにし課題を検討した.その結果,開発された評価は7つであり,開発後の各評価を利用した研究は少ないことが判明した.本研究は初回の投稿と査読を経て,現在再投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症流行の影響でデータ収集に遅れが生じたが,当初の計画に基づき2022年度中にCISAの開発を完了した.本研究論文の投稿は2023年度4月となったことから,若干の遅れを認めている.
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今後の研究の推進方策 |
CISAを開発後,基準関連妥当性の検討を予定していたが,関連研究の着手からCISAの基準となるゴールドスタンダードは希少であることが明らかとなった.このことから,2023年の最終年度はCISAを臨床適用する研究に着手する.数名のセラピストにCISAを適用し,その結果からCISAを用いた教育プログラム案を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,2020年度以降に発生したコロナ感染症の大流行の影響により,情報収集のための学会参加の断念とともに,オンラインによる学会参加のみとなったために,当初の計画通りに旅費が発生しなかったからである. 2023年度は,コロナ感染症の影響は少なくなってくると思われる.従って,コロナ禍前のように学会の現地参加が可能になると考えられる.この学会参加に必要な旅費として,次年度使用額の利用を計画する.また,依然として感染予防には十分に留意しなければならない.従って,研究に関連する人との対面接触をできるだけ回避するために,インターネットを広く利用した研究の着手とそれに必要な備品整備の物品費等として,次年度使用額の利用を計画する.
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