本研究の目的は,自律的学習者(アクティブラーナ)の育成に欠かせない教育の「質」の保証・向上を支援するために,学習者自身が記述した自己評価文に基づいて,学習者の学習状況を行動や態度に関連する特徴表現の抽出を通じて把握し,それらの学習状況に応じたフィードバック文を(半)自動生成するシステムを構築することにある。 研究代表者の体調不良により延期を申請し,許可を受けて延期後の最終年度,2023年度こそは当初計画を達成すべく研究の遂行を継続してきた。本研究の初年度はコロナ禍によって,研究場となる授業の運用が大幅に変わったため,これまでと違った状況での情報収集という意味では,チャンスであった。2年目からは,対面から遠隔,遠隔から対面など授業形態の目まぐるしい変更などにより,例年通りのコメントデータ収集とはならなかった。しかしながら3年目以降については,コメントデータは順調に回収できたので,コロナ禍の前との比較をし,コメントデータの分析を継続している。このように振り返り文のデータ収集は,2021年度から2023年度までの3年続けて,ほぼコロナ禍前と同程度まで達成できたが,この新しいデータを用いた分析やフィードバック文例の作成などは,研究代表者自身の体調不良などにより研究に集中しきれず,当初計画を達成するに至らなかった。その中で評価基準としてのルーブリックや評価観点について思索・作業は継続し進捗はあったものの,論文として公表できるレベルの研究成果としては,まとめきれなかった。 2023年度の研究実績の概要としては,査読無し研究発表が1件であった。具体的には,2024年3月に開催された日本情報科教育学会の九州・中国・四国支部の第21回支部研究会において,本研究に関する発表をした。
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