本研究では、個人の好みや特性に合わせて目標成績を自動調整することで学習意欲を喚起する適応型学習アプリケーションの開発を目指した。そのために、学習中の脳波から学習への意欲度を定量評価することを試みた。実験では、目標成績スコアの達成難易度が3段階(低、中、高)から構成される暗算課題を実施している際の脳波を計測した結果、事象関連電位の振幅が、各達成難易度の目標成績スコアに対して目標を達成したいと思った意欲度の主観評価値と相関することがわかった。また、同様の課題で他者と成績スコアを競争している際の事象関連電位の振幅から、他者との競争に勝利する目標に対してどれくらい意欲が湧くかという度合いを予測できた。
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