研究課題/領域番号 |
20K14115
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長沼 祥太郎 九州大学, 教育改革推進本部, 講師 (40826096)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 理科離れ |
研究実績の概要 |
令和2年度は、【研究1:「理科離れ」の質的分類】に取り組んだ。大学生22名を対象としたインタビュー調査により、「理科離れ」したプロセスに関して質的調査を行った(研究a)。この調査結果を用いて「理科離れ」した層の分類のため質問項目を開発し、量的な調査を実施して心理尺度としての信頼性と妥当性を検討した(研究b)。その後、オンライン調査により大学生モニター1075名からデータを集め、潜在プロフィール分析により対象者を6つのプロフィールに分類することができた。その上でそれぞれの分類の特性を検討し、各プロフィールごとの特徴を抽出した(研究c)。 研究aに関しては国際学会(New Perspectives in Science Education)で2021年3月に発表済みであり、研究cに関しては国際学会(ESERA)にて2021年8月に発表予定である。研究bに関しては研究発表は実施していないものの、研究a,cとともに今年度中に論文として投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和2年度は、【研究1:「理科離れ」の質的分類】のみに取り組む予定であったが、この分類結果を他の変数と掛け合わせて分析することで当初想定していた以上の成果を得たことが第一の理由である。また、この研究1を通じて得られた質問項目が、研究2でも一部使用可能であると判断されたため、令和2年度中に研究2も一部進めることができたためである。また、研究3に関しては調査対象校の選定が1つの問題であるが、これに関して令和2年度中に某高校より研修の依頼をされたことで、調査対象校の1つがすでに候補として現実味を帯びていることが第三の理由である。以上3つの理由により、(1)当初の計画以上に進展している、に該当すると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究1に関しては論文化が当面取り組むべきことである。研究2に関しては、「質問項目の完成と選抜」「調査の実施」「論文化」の3つが課題であるが、論文の一部はすでに書き始めており、かつ、調査の実施方法は研究1と同様のオンライン調査なので、「質問項目の完成と選抜」に注力することがもっとも重要と考えられる。研究3に関しては「調査対象校の決定」「質問項目の完成と選抜」「統計手法のスキルアップ」が課題である。特に、研究3では、高度な統計手法による分析が必要になるため、統計手法に関してのスキルアップが重要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナのため、海外渡航費の使用ができなかったため。
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