研究課題/領域番号 |
20K14119
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
齊藤 智樹 順天堂大学, 国際教養学部, 非常勤講師 (90849613)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 領域横断的概念 / CCCs / STEM教育 / STEAM教育 / Interdisciplinary STEM |
研究実績の概要 |
2021年度においては,昨年度までに取得整理したデータをもとに,本研究の目的である領域横断的な概念の各カリキュラムのなかでの位置づけ,関連する分析的な枠組み,また枠組みをまたいで領域横断的概念が果たす役割を分析した。 領域横断的な概念を扱う文献のうち,LHSの作成したカリキュラムについては,歴史上一貫してカリキュラムのなかでの領域横断的な概念の位置づけを維持・改善してきており,そこから本研究では,具体的な児童生徒のあらわれとして,領域横断的な概念の果たす役割を抽出することができた。また,LHSが作成したもの以外の文献においても,米国科学教育の歴史上,領域横断的概念は扱われてきており,これらについても別途分析を行った。結果として,LHSの示していた領域横断的な概念の役割は,連邦レベルの文献においても活用されていると考えられ,カリキュラム全体の中での役割が確立してきたものとしてみることができる。 以上の内容は,日本科学教育学会及び日本エネルギー環境教育学会,東アジア科学教育学会,米国Association for Science Teacher Educationなどの学会において発表するとともに,関連して国内外の研究者との連携を進めている。 また,ここまでの文献研究で得られた知見を元に,実践研究の段階へ進めるため,具体的な教材の計画,開発を開始した。領域横断的概念をSTEM教育において活用するために,上記知見に基づいた認知活動を教材化し,その学習を通じた児童生徒のあらわれから実証データを取る準備が整いつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響で,米国での資料収集は変わらず進められていない。一方で,原状得られる範囲では,文献上狙った情報は間違いなく得ることができ,ほぼ一貫して予想通りの知見が得られたこともあり,おおむね順調に進展しているとみている。 今後,海外での資料収集が可能になるか,あるいはならないかによって,文献研究を充実させるか,あるいは国内での実践研究により重きを置くのかを変えながら,当初の目的達成を目指す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り,今後の研究方針は,更なる資料を得ることができるか否かによって,変わってくる。 更なる資料を得られるシナリオでは,既に分析を進めてきた文献に加えて,これまでに手に入らなかった資料を加えて,文献研究全体として精度を高め,より信頼性のある知見を示すことを目指すことになる。 更なる資料が得られた場合でも,得られなかった場合でも,実践への応用は欠かせない。特に,更なる資料を得られないことが分かった段階で,実践への傾斜を強め,実証的なデータを広げることによって知見を強化することも考えられる。 ただし,現段階においても実証研究へのハードルは高く,その環境が用意できなくなるということも考えられる。その場合,現在の研究費は一旦返却し,別課題に挑戦することも,選択肢の一つである。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた,海外出張及び現地での資料購入,国内出張及び実践準備の費用をコロナ収束の遅れにより,使用しなかったっため繰り越しが発生した。 次年度の使用計画としては,当初計画していた海外への資料収集及び海外からの専門家招聘に対して使用するか,それが難しい場合は,実践研究の関連費用として使用する計画である。
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