研究課題/領域番号 |
20K14123
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研究機関 | 宮崎国際大学 |
研究代表者 |
坂倉 真衣 宮崎国際大学, 教育学部, 講師 (70758606)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教員養成 / 小学校教員 / 初等教育教員 / 理数科指導力 / 理数離れ / 私立大学 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の児童・生徒の「理数離れ」を解決するために、私立大学小学校教員養成課程における学生の理数科指導力向上を目指すものである。現在、小学校教員養成の認定課程を有する私立大学は増加しており、今後私立大学出身の小学校教員は初等理数教育において重要な役割を担うようになる。よって本研究では、1.私立大学小学校教員養成課程に在籍する学生の学力及び情意面等の実態把握、2.私立大学小学校教員養成課程卒業生の理数科指導力の実態把握、それに起因する要因を明確化、3.1、2をもとに具体的な方策の提案をすること、大きく3点を目標にしている。 研究初年度である令和2年度(2020年度)は、主に1、2を達成するためのアンケート、ヒアリング調査を実施した。詳細は以下の通りである。 1.「理数科指導力に関するテスト」及び「情意面に関するアンケート」を作成した。私立大学教育学部に在籍する学生1~4年生を対象にオンラインで実施し、全123名から回答を得た。テスト結果をもとに学生の理数科学力の実態について明らかにし、学会で報告を行った。 2.私立大学教育学部を卒業した学生を対象に郵送およびオンラインで、理数科指導に関する自信、困ったことなどを問うアンケートを実施した。得られた回答を現在分析中である。 さらに、3の具体的方策の1つとして想定される、現在宮崎国際大学で実施している「理数科教育基礎ゼミ」「理科実験ゼミ」の成果について整理し、それぞれ紀要に報告を行った。これらは学生が中心となり運営するゼミであり、1、2の実態を踏まえ、改善を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度(2020年度)に研究課題としてあげていた大学生(1~4年生)および卒業生を対象としたアンケート及びヒアリング調査を行うことができた。またその研究成果の一部について学会で発表し、そこでの議論をもとに学術誌への投稿を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度(2020年度)は、「理数科指導力に関するテスト」「情意面等に関するアンケート」を試験的に作成し、実施した。結果を踏まえ、テスト及びアンケート内容を洗練させ、年1回を目安に継続的に実施、分析していく。 さらに1年目の結果を踏まえた方策を具体的に考案し、授業やゼミ等で実施し、その成果について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、コロナウイルスの感染拡大防止のため参加学会が全てオンライン実施となった。さらには国際学会へも参加ができなかったため、計上していた旅費を使用することがなかった。また同上の理由から遠方の卒業生へのヒアリング調査のができなかったためインタビューデータのテープ起こしの人件費も一部しか使用しなかった。 次年度は、コロナウイルスの感染拡大状況に配慮しながら、行うことができなかったインタビューを行い、それを文字起こし、分析するための人件費として使用する。さらに状況を見ながら、国外の研究動向とも照らし合わせるため国際学会での成果発表も検討し、発表が可能な状況になれば旅費として使用したい。
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