| 研究課題/領域番号 |
20K14124
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| 研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
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研究代表者 |
秋山 肇 福井工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (70746172)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 真空管 / ベルト―ロ整流器 / 椎尾詷氏 / 電気蓄音機 / 名古屋大学 / 株式会社中央製作所 / 福井県立こども歴史文化館 / でんきの礎 |
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| 研究実績の概要 |
2021年度は引き続きコロナ禍の影響により、各博物館での実地調査が制限された年度となったが、以下２テーマに関して進捗を得た。１，福井県立こども歴史文化館所蔵の電気蓄音機に内蔵された真空管の来歴調査と動態展示を前提とした電気特性の確認実験と学会発表及び論文誌への投稿、２，名古屋大学博物館及び株式会社中央製作所所蔵の機械式整流器（ベルト―ロ）に関する保存状態調査と学会での発表、及び電気学会顕彰事業（でんきの礎）への応募指導
１は2020年度の成果（米国、ビクター社製電気蓄音機の内蔵真空管調査）を踏まえて国産電気蓄音機（日本フィルモン社製）へも調査対象を拡大しつつ、岩崎通信機株式会社の協力を得て半導体計測器（半導体カーブトレーサ）を用いた真空管の電気特性確認実験を行った。その結果スペックに記載された特性をほぼ再現することが判明し、製造後約１世紀を経た真空管であっても動態展示に耐えうる可能性が示唆された。この結果は日本技術史教育学会からの特別寄稿依頼を受けて論文投稿中である。２は名古屋市に本社を持つ株式会社中央製作所所蔵にて技術関係者に協力を仰ぎ、開発当時の1次資料（設計図、写真、論文等）を入手中である。これらの内容を精査したところ、電気学会の顕彰事業である「でんきの礎」に応募すべき案件であることを確信し同社に応募を勧めたところ、ご理解を頂き2022年5月に応募手続きが完了した。他、具体的な成果には至っていないものの、大学等博物館の本研究に関するご理解が頂ける感触を感じており、概ね現在の方針を継続することで引き続き研究を進めていきたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載した通り、進捗中のテーマ「電気蓄音機内蔵の真空管調査」と「ベルト―ロ整流器の実地調査」に関して調査が進捗し、その成果を学会発表、論文誌投稿及び電気学会顕彰事業応募という実績に結実させることができたことがその理由にあたる。
又、現時点では具体的な成果とはなっていないものの今後の活動に向けて研究依頼の打診を受けている状況である。１件は京都大学総合博物館で調査中の水銀整流器に関しては同館より引き続き調査を続行したい旨の連絡があり、加えて極初期の半導体デバイスに関する教育用機器についても調査の対称として追加依頼があった。もう1件は神戸大学海事博物館所蔵の通信機に関して内蔵の整流回路に関する調査許可が降りたことである。本件は同館に調査の背景を説明した段階であり、実地にどのような方針を持って調査に臨むかは今後の交渉次第である。
上記の状況から、調査そのものを効率的に行う為にも事前の説明には十分な準備を行い、保存機器の技術背景について理解する必要を痛感している。尤もこの努力は高専における技術教育を行う上でも良いフィードバック効果が出始めており、当初の計画通り、各所にその成果が波及しつつある手ごたえを感じている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も当初の研究推進方策に則り、協力関係にある博物館（京都大学、名古屋大学、電気通信大学、福井県立こども歴史文化館、神戸大学等）所蔵の歴史的理工学機器類を対象とした調査を継続していく予定である。調査結果の迅速な公開を進める上で学会報告や論文投稿に加えて各博物館で発行する紀要類への投稿も検討していきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は発生していない。
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