• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

トランスサイエンス時代の技術者の市民的知性育成に向けたグループ対話型授業の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K14125
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

小川 泰治  宇部工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (40824975)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード技術者倫理教育 / 哲学対話 / 市民性教育 / ファシリテーション
研究実績の概要

本研究の当初からの目的は主に以下の3点である。①学生ファシリテーターのスキル育成のためのカリキュラム開発。②対話を可視化し、グループでの対話を促進するワークシート教材の開発。③市民的知性育成のための哲学対話を応用したグループ対話型授業の開発。
2022年度は①については勤務校の「プロジェクト学習」において哲学対話のファシリテーションを主題とした授業実践を、複数の研究協力者を招聘しながら行った。授業を受講した学生たちのなかから、学外のイベントでの対話のファシリテーションを行うスキルを身に付けるものが複数名出るなど具体的な成果が現れつつある。本年度も引き続き、選択授業での実践を通して、具体的なカリキュラムのあり方について検討を進めていく。
②および③については、対面授業が再開したため、40名を超える授業内での対話型授業のあり方について様々な実践を重ねている。こちらについても外部からの研究協力者の招聘や、リサーチアシスタントとして雇用した学生らの協力を経て、徐々にあるべきかたちが見え始めている。今年度も引き続き、授業での実践を通して40名以上の、通常は対話型授業が難しいと思われているクラスでの対話型授業のデザインを具体的に示したい。また、技術者教育特有のテーマの精選や対話型授業の困難といった課題についても取り組んでいく。
上記のような当初の目的に加えて、今年度は、豊橋技科大の岩内章太郎准教授との連携にも力を入れ、双方の環境での技術者教育のための対話実践について各校を訪問し、実践と交流を重ねた。今年度も引き続き連携を強化しながら、さまざまな環境で技術者教育に対応可能な対話型授業のデザインについて、具体的なあり方を提示することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

依然としてコロナ禍の影響もあり、予定していた海外出張による研究発表や他高専での対話型授業の視察や環境の比較を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

2023年度はプロジェクト学習などの活動によってスキルを身につけつつある学生たちとともに学内外の実践の機会を増やし、学生によるファシリテーションの実践とその課題を明らかにすることに取り組んでいく。並行して、豊橋技科大の岩内章太郎准教授らとの連携にもさらに力を入れながら、国内外の哲学対話型教育の実践例について調査を行い、高専に限らない技術者教育のための哲学対話のデザインについて具体的な提案をすることを目指していく。

次年度使用額が生じた理由

前述のようにコロナ禍による出張等の制限により予定していた旅費や人件費の使用が実施できなかった。また、物品費については関連する研究テーマで獲得していた資金(日立財団倉田奨励金)を活用していたほか、豊橋技科大との共同実践については関連するテーマの別資金(高専連携プロジェクト)を活用している。
次年度は、研究に必要な洋書の購入や、学生や学外の研究協力者の定期的な招聘、国内および海外の哲学対話を実践している教育機関への旅費のために「次年度使用額」を使用していく予定である

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] なぜ「呼ばれたい名前」で呼び合うのか―哲学対話における名前と呼びかけの問題に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      小川泰治
    • 雑誌名

      宇部工業高等専門学校研究報告

      巻: 69 ページ: 29-38

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「人それぞれ」発言は哲学対話に何を引き起こすのか2023

    • 著者名/発表者名
      小川泰治、岩内章太郎
    • 雑誌名

      思考と対話(日本哲学プラクティス学会学会誌)

      巻: 5 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 哲学対話の実践者はどう協力して作業できる? ー倫理綱領勉強会の経験と座談会から考えるー2023

    • 著者名/発表者名
      桂ノ口結衣, 井尻貴子, 小川泰治, 木下真希, 鈴木径一郎, 安本志帆, 山本和則
    • 雑誌名

      『みんなで考えよう』(哲学プラクティス連絡会)

      巻: 5 ページ: 14-42

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Why I leave My Office Door Open ーTo create CoI outside the classroom with a weak tie2022

    • 著者名/発表者名
      Ogawa Taiji
    • 学会等名
      The 20th Biennial International ICPIC(The International Council of Philosophical Inquiry with Children) Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] なぜフィロソフィーネームをつけるのか2022

    • 著者名/発表者名
      小川泰治
    • 学会等名
      哲学プラクティス連絡会第8回大会
  • [学会発表] なぜ哲学対話は僕たちを惹きつけたのか?あるいはなぜ他の多くの友達を惹きつけなかったのか? ―高専での5年間の経験から―2022

    • 著者名/発表者名
      畑絢登, 大浜怜, 小川泰治
    • 学会等名
      哲学プラクティス連絡会第8回大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi