研究課題/領域番号 |
20K14126
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 (2021-2023) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
白岩 祐子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40749636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 霊魂観念 / 他界観 / 二人称の死 / 死別 / 遺族 / 解剖 / 臓器提供 / 戦没者遺骨 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,大切な人の死後に関する日本人の多様な心象を一元的に把握するための尺度(死後世界観尺度)を開発し,各因子と遺族の認知・行動との関連,および死後世界観の機能を明らかにすることであった。隣接領域や関連する文献の精査,実験,遺族を対象とする調査などから以下のことが明らかになった。 第一に,死後世界観は「霊魂の存続と共生」,「良き他界」,「生まれ変わり」など5因子構造が確認された。第二に,5因子のうち,霊魂の存続についての心象,すなわち霊魂観念が,供養の頻度・手厚さを規定していること,遺体や遺骨の保全的態度などと関連していた。第三に,死後世界観は,遺族の喪失感と関わっていた。
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自由記述の分野 |
社会心理学,死生学,宗教心理学,被害者学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の人びとは霊魂観念を受容しなくなって久しい,と指摘されてきた(山折, 2011)。あるいは,自覚されない心象であるために,調査などでは抽出不可能だと指摘されてきた(波平,2004)。日本人の文化的背景に合致した死後世界観尺度をはじめて開発した本研究は,霊魂観念や死後世界観を調査を用いて測定することは,少なくとも大切な人と死別した遺族の場合,十分可能であることを明らかにした。その上で,遺族が抱く大切な人の死後世界観は,遺体・遺骨への敬意や愛着を共通して説明しうる認知基盤となっていること,解剖や臓器提供をめぐる名状しがたい嫌悪の背後に霊魂観念が存在することなどをはじめて実証的に明らかにした。
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