研究課題/領域番号 |
20K14127
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
張 興国 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60780492)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 運転教育 / 仮想現実 / 事故防止 / 全方位カメラ |
研究実績の概要 |
本研究に開発したシステムは交通事故を未然に防ぐために、仮想現実技術を利用し、運転者の安全意識を効率的に訓練するものである。令和2年度では、実写の360度運転映像の収集と運転者教育システムの開発を行った。 「GoPro Fusion」という360度全方位カメラは運転者と同じ視点の高さに設置し、ヒヤリハットに遭いやすい道路環境で走行することにより、合計42件(平均23秒)のヒヤリハットの運転映像を収集した。その映像は走行環境(交差点、高速道路、バス停留場付近、横断歩道など)、時間帯(日中、夜間など)、気象条件(晴天、降雨など)などの条件に応じて分類した。従来の2Dドライブレコーダー映像より臨場感かつ情報量溢れる運転塩蔵の収集ができた。 さらに、被験者が何をどのぐらい注視していたか、危険個所に対する反応時間等自動分析するために、今回は画像認識技術を利用して、全方位映像内の歩行者、自動車、信号機などの対象物を自動検知する機能を開発した。現時点では、実写映像に映っている歩行者と車の認識率がぞれぞれ92%と96%になり、高精度で検知することが実現できているが、信号機に対する認識率が71%で、今後は検知性能を向上する方法の検討が必要である。 しかし、今回の実験では映像の提示する順番を入れ替えていないため、映像の慣れや難易度による影響も含まれていると考えられる。そのため、本システムの有効性を検証するために、映像の提示順を入れ替えて同様の実験を行う必要があるといえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画においては、6ヶ月をかけて360度運転映像を収集し、ヒヤリハット場面を学習ビデオとして抽出し、様々な解析手法や評価方法を開発する予定であったが、コロナウィルスの影響で、収集されたしたヒヤリハット運転映像数は少ないため、360度ビデオを追加収集する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、画像認識技術により全方位映像から検知した歩行者、自動車、信号機などの対象物をクリックでくるようにするため、Unity環境に仮想物体の自動作成する機能を開発する。これによって、これまでの1フレームずつ人力で危険箇所を設定する膨大な作業量を今回の方法で、大幅に短縮できるようになれる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響で、参加予定する学会が来年度開催になるため、旅費などの経費が次年度使用する予定になる。
|