研究実績の概要 |
令和5年度は,本研究で作成した目標・誘惑両立方略尺度(以下,両立方略尺度と表記する)の妥当性(調査1)および再検査信頼性(調査2a, 2b)の検討を行った。 調査1では,両立方略尺度(誘惑充足調整方略/目標優先・誘惑回避方略/誘惑へのコミットメント調整方略)の妥当性の検討として,既存の尺度「特性的快楽能力尺度(Bernecker & Becker, 2020)」,「特性的セルフコントロール尺度短縮版(尾崎他, 2016)」間の関連について検討を行った。その結果,両立方略の使用頻度が高いほど,快楽的な目標追求を成功させやすく,特性的セルフコントロール能力も高いことが示された。また,両立方略の使用頻度が高いほど,追求している目標が進展しており,目標に関連した行動を多くとりやすいことが示された。これらの結果から,尺度としての妥当性がおおむね確認されたといえる。 調査2では,3週間の測定間隔を設け,2時点(Time1・Time2)において同様の調査を行った。その結果,両立方略尺度はTime1とTime2において中程度の正の関連がみられ,十分な信頼性が得られた。 上記2つの成果については,昨年度までの成果も含め,論文として投稿する予定である。なお,2024年2月より産前・産後の休暇及び育児休暇を取得したため,研究を一時中断した。
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