研究課題/領域番号 |
20K14153
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研究機関 | 洗足こども短期大学 |
研究代表者 |
高橋 節子 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 講師 (50735305)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 物理的空間 / 既婚女性 / 自立 / QOL / プライバシー |
研究実績の概要 |
研究実績の概要 本研究は、人は心理的に自立し、高いQOLを維持して生活するために、「自分固有の物理的空間」を持つことが必要であると言う仮説の実証を目的とする。本研究では、研究の対象を、子を持つ既婚女性としている。先行研究において、彼女らは家族成員の中で最も「自分固有の物理的空間」を所有することが難しいことが指摘されている(上野, 2002)。2020年度の前半は、この関連研究として2020年1月に実施した青年期の「自分固有の物理的空間」の調査の分析を進め、知見を得た。その知見と、先行研究の検討により、子を持つ既婚女性を対象に実施する調査で使用する心理測定尺度と、物理的環境に関する調査項目の検討を進め、面接調査とウェブ調査を実施する予定であった。 しかし、昨年来のコロナ禍において在宅勤務(テレワーク等)が奨励されたことにより、住宅内の居室の使われ方に一時的な、あるいは、急激な変化が生じたと考えられた。先行研究では、住宅内では妻よりも夫の仕事の場を確保することが優先され、ジェンダー差が生じていることなども報告されている(落合・鈴木,2020)。そこで、このような状況下では、平常時の「自分固有の物理的空間」に関する調査を実施することは難しく、さらに、コロナ禍における現在の状況を反映して、質問項目を見直した方が良いと考え、調査票を作成し直した。1回目の緊急事態宣言から1年以上が経過し、住宅内の居室の使われ方が安定してきたと思われる段階で、子を持つ既婚女性を対象に、「自分固有の物理的空間」と同時に、ジェンダー差が指摘されているコロナ禍での住宅内の居室の使われ方に関するオンラインの面接調査とウェブ調査を実施するべく、準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言などにより、在宅勤務(テレワーク等)が推奨されたことなどにより、住宅内の居室の使われ方に一時的、または急激に変化が生じたと推測される。このような状況下で既婚女性の住宅内の「自分固有の物理的空間」に関する調査を実施しても、平常時と異なり、正確な調査結果を得ることは困難であると考えられたため、2021年以降に調査を実施することにした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に実施できなかったオンラインの面接調査とウェブ調査を実施する予定である。まず、子を持つ既婚女性を対象にオンラインの面接調査を実施し、彼女たちの「自分固有の物理的空間」に関する語りから、物理的空間に関する質問項目を再選定するとともに、コロナ禍での住宅内の居室の利用の変化などを聴き取り、ウェブ調査の質問項目を再検討する予定である。面接調査と前年の先行研究の検討などをもとに、2021年度後半にウェブ調査を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言等により、在宅勤務(リモート勤務等)が推奨されたため、住宅内の居室の利用状況などが一時的に、あるいは急速に変化したことが考えられる。そのため、2020年度は既婚女性の住宅内の「自分固有の物理的空間」に関する調査を実施しても、平常時と異なり、正確な調査結果を得ることが困難であると考え、調査の実施を見合わせた。 2021年度は、前年度に実施を見合わせたオンラインによる面接調査とウェブ調査の実施に科学研究費を使用する予定である。面接調査に関しては、調査協力者に対しての謝礼、面接調査の音声の文字起こしの謝金などに使用する。ウェブ調査は調査会社に依頼する予定であり、その費用として科学研究費を使用する。また統計分析のためのソフトIBM SPSSを購入する予定である。
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