研究実績の概要 |
本研究の目的は,人が様々な対象に心を感じるようになる発達プロセスを明らかにすることである。 2020年度は,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,成人および子どもを対象とする研究を開始することができなかった。また,都道府県をまたいだ移動が制限されたため,国内の連携協力機関を訪問することができず,実験プログラムの作成も行うことができなかった。そのため,本研究の着想のきっかけとなった英国ユニヴァーシティカレッジロンドンのDr. Antonia Hamiltonのグループと共同で行った研究であるヴァーチャルリアリティ空間に存在するアヴァターの心の読み取りに関する研究論文を,共同第一著者として発表した (Ye, Furumi, da Silva, & Hamilton, 2020)。 この研究では,成人期の参加者を対象としてヴァーチャルリアリティ機器を用いて,ヴァーチャルリアリティ空間を作成し,そこに存在する人型で自然に動くアヴァターや機械的に動くロボットに対して,参加者がどれくらい正確に心を読み取るかを調べた研究であった。その際に,サブデータとして収集していたヴァーチャルリアリティ空間内の人やロボットに対して,どれくらい動きが正確であると感じるか,どれくらい相手に心を感じるか,どれくらい相手の心を読みたいと思ったか,どれくらい相手に親しみを感じるか,どれくらい相手をリアルに感じたかという質問紙の結果の分析を行った。その結果をもとに,本研究の実験計画を修正する予定である。
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