研究課題/領域番号 |
20K14157
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
風間 惇希 三重大学, 学生総合支援機構, 講師 (70820364)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 過剰適応 / 青年期 / アタッチメント / 自律性支援 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,青年期の過剰適応を支援・予防する際の鍵概念としての『アタッチメント及び自律性支援ネットワーク』の提唱とその有効性を明らかにすることを目的としている。 2020年度は,周囲の他者との関係ごとに生じる過剰適応について,中学生から大学生にかけての青年期全般に適用可能なアセスメントツールの開発を試みた。 尺度項目については、中学生を対象として両親・友人・教師に対する過剰適応の程度を測定することが可能な風間・平石(2018)の関係特定性過剰適応尺度,関係一般的な過剰適応傾向を測定することが可能な石津・安保(2008)や桑原(2003)の尺度項目を参照しながら、特定の関係に固有な内容が含まれていない項目を19項目選定し、各関係における過剰適応の程度を19項目によって測定する尺度の構成にした。 中学生416名,高校生408名,大学生412名の合計約1236名を対象とした質問紙調査(オンライン調査)を実施し,(a)母親、(b)父親、(c)友人、(d)その他回答者が自由に設定した重要他者、のそれぞれに対する過剰適応の程度を測定する尺度の信頼性及び妥当性を検証した。その結果、想定する他者が異なったとしても、風間・平石(2018)と同様の「自己抑制」及び「他者志向性」の2因子に共通して高い因子負荷を示した12項目を、青年期全般に適用可能な過剰適応尺度の項目として採用した。 また先行研究に倣い、「自己不全感」や「本来感」、GHQ得点といった内的不適応との関連を検討した結果、先行研究と同様の関連も確認された。 これまでの青年期の過剰適応を測定する尺度は、特定の他者との関係を考慮しないパーソナリティ特性を測定するものであったり、関係ごとの過剰適応を測定できたとしても特定の青年のみしか対象にできなかった。今回開発した尺度によって、青年期全般に適用可能な具体的な過剰適応状態を捉えることが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に実施を予定していた研究Ⅰ(中学生から大学生にかけての青年期全般に適用できる、周囲の他者との関係ごとに生じる過剰適応のアセスメントツールの開発)を完遂することができた。その点で「おおむね順調に進展している」と評価することが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に計画していた研究Ⅰを完遂することができたため、今後は引き続き計画通りの研究Ⅱ(青年期前・中・後期を対象とした過剰適応と重要他者のアタッチメント機能及び自律性支援的態度の関連の検討)と研究Ⅲ(重要他者のアタッチメント機能及び自律性支援的関わりが自律性及び自尊感情を媒介して過剰適応に影響するというプロセスの縦断的検証)の実施に向けて準備等を進めていく。また、初年度に実施した研究Ⅰの成果は、学会での研究発表とその後の論文化という形で発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の研究遂行上必要な経費を執行したが、その他に必要な経費執行がないため端数として残る形となった。次年度以降の研究遂行上必要な経費に充てる予定である。
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