研究課題/領域番号 |
20K14158
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研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 |
研究代表者 |
市村 賢士郎 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (50824926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヴァーチャル・リアリティ / 創造性 / 拡散的思考 |
研究実績の概要 |
2021年度は,前年度に実施したVR環境の没入感と視覚的な広さが拡散的思考の高さに及ぼす影響を検討した心理学実験のさらなる分析・考察を進め,学術論文の執筆・投稿を行った。 先行研究では,環境への高い没入や自由の概念を活性化させる環境に身をおくことが拡散的思考を高めることが示されている。これを踏まえて実験1では,自由の概念を活性化させやすいと考えられる海岸の360°映像をヘッドマウントディスプレイで視聴する群とPCモニターで視聴する群とで拡散的思考課題の成績を比較し,前者の方が成績が高くなることを示した。また,実験2では,自由の概念を活性化させにくいと考えられる狭い実験室の360°映像をヘッドマウントディスプレイで視聴する群との比較を行ったが,海岸の映像を視聴する群と比べると拡散的思考課題の成績は低いことが示された。以上の結果は,実環境で実施された先行研究の知見がVR環境においても再現可能であることを示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
VR体験が創造的思考に及ぼす影響に関する研究については,論文の採択には至っていないものの,執筆・投稿は完了しており,順調に進展している。 VR体験が他者理解能力に及ぼす影響に関する研究については,新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり,当初の予定通りには進展していないため,加速させる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
VR体験が創造的思考に及ぼす影響に関する研究については,2022年度内の論文採択を目指す。VR体験が他者理解能力に及ぼす影響に関する研究については,実験刺激の作成等,実験実施に向けた準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関の異動や新型コロナウイルス感染拡大の影響により,一部研究計画が予定通り進捗しなかったため,次年度使用が生じた。今年度予定していた実験準備や実験実施を次年度に円滑に行うための費用に充てる予定である。
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