研究課題/領域番号 |
20K14159
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷田 勇樹 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 特別研究員 (80800218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 数認知 / 心的数直線 / 分数 |
研究実績の概要 |
本研究では分数の理解には単位分数(分子が1になる分数)が基盤になっていると仮説立て、(1)単位分数の値の大きさの理解が他の分数よりも正確なのかどうか、(2)どの単位分数が他の分数の値を理解する際に比較対象として使われるのか、(3)それらの発達的変化および(4)算数成績との関連について明らかにすることを目的としていた。本年度は数認知の発達過程にある小学生における単位分数の認知を明らかにするため、小学校での実験を予定していた。単位分数(分子が1の分数)は、その他の分数の基準になりうる重要なものであると認識されている。しかしこれまでの研究では被験者の言語報告や間接的検証によってその可能性が指摘されているだけであり、認知パフォーマンスの直接的検討はされていなかった。そこで、本研究では被験者に様々な分数の大きさを各単位分数と比較してもらい、どのような単位分数を基準にして比較することで分数の認知が促進されるかを分析することで、単位分数がその他の分数の認知処理の基盤になりうるかどうかについて認知パフォーマンスに基づいた検討を試みた。本年度はこの実験の実施に向けて、次の準備を行った。これまでの知見に基づいて最適な分数刺激を選定した。実験のためのiPadの整備を行った。分析のための新しい統計分析を習得した。しかし新型コロナ感染症のパンデミックによって小学校で実験を行うことが難しくなったため、実験実施を延期し年度末を迎えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症のパンデミックにより、被験者を取得するのが難しく研究を思うように推進できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
日本社会において新型コロナ感染症と共存する風土が醸成されてきたため、十分な感染対策ができていることを示し近隣の学校に調査にむけて働きかける予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症のパンデミックにより実験ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は昨年度までに遂行できなかった計画を遂行するために使用する。
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