本研究課題では、以下の2つの成果が得られた。一つ目は、親からの期待が問題になるときの要因の一つは、全体的な親子関係の良し悪しというよりも、子どもが親から承認され、応援されているという感覚が得られないことであった。二つ目に、親からの期待に対する否定的な行動をとることは、子ども自身にとっても後悔の対象であり否定的に受け止められがちであるが、キャリアを主体的に決定しているという感覚によって否定的な受け止め方が低下することが示された。以上から、親からの期待を巡る問題を子どもの視点から解決する際には、親からの承認を得られなかったことへの納得、キャリアの主体的決定感の養成が重要である。
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