本研究の目的は、(A)聴くことに関する意識を探索的に検討し、これら意識が聴くスキルの各要素とどのような関連を有するか明らかにすることと、(B)聴くスキル尺度を活用し、状況に応じた聴き方の使い分けの有効性を明らかにすること、の2点であった。(A)については、(a)保護者が子どもの話を聴くときの意識や(b)夫婦間で話を聴いている時の認識について調査を行い、両者の尺度化を試みた。(B)については、大学生を対象に調査を行い、3つの仮想場面を通じて、聴き方に変化を持たせている可能性が示唆されたほか、こうした変化を持たせた聴き方が全般的な社会的スキルと関連を有する可能性についても明らかとなった。
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