研究課題
「うつ病罹患者の社会的受容を促進するための教育コンテンツの開発」という研究目標の達成に向け,当初は当該年度に教材を実際に開発してその効果評価研究を実施することを計画していた。しかし,前年度まで新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で教材開発に向けた基礎研究が滞っていたため,当該年度はその基礎研究や学会発表に注力する方針に切り替えた。その結果,「偏見にとらわれず,うつ病像の多様性や複雑性を捉えるために,心理ネットワーク分析という新奇性の高いアプローチを活用できる」という視座を国内学会での発表2件を通じて共有することができた。また,その視座を採り入れたProcess-Based Therapyという臨床実践の枠組みを,国内学会での発表2件を通じて紹介することができた。これらの発表について代表者の役割を務めたことで,関心が近い国内研究者との強固なコネクションを築くことができた。その他にも,メルボルン大学のNicola Reavley研究室と共同で先行研究の系統的レビューに着手し,ボストン大学のTodd Farchione准教授と研究ビジョンを共有して将来的な共同研究の可能性を話し合うことができた。また,国立精神・神経医療研究センターの伊藤正哉氏らと共同で,人工知能系の学会で研究ビジョンを参加者に示すことができ,研究の将来的な沿革について参加者と議論することができた。査読付き学術論文に関しては,2021年度までに早期公開となっていた共著論文が本公開となるにとどまったが,展望論文を国際誌に投稿することができ,査読コメントを踏まえて修正を進めるところまではこぎつけた。このように,論文という形の成果は乏しかったものの,国内外の研究者とのつながりを様々な場で強化することができ,うつ病罹患者の多様性理解や社会的受容の促進向けて今後取り組んでいくための土台を築くことができた。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)
Stigma and Health
巻: 8 ページ: 93~101
10.1037/sah0000358
医療の広場
巻: 62 ページ: 6~10
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