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2022 年度 実施状況報告書

間接的要求の理解に対する映像的身振りの効果及びその関連要因の発達的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K14175
研究機関金城学院大学

研究代表者

三宅 英典  金城学院大学, 人間科学部, 講師 (20826581)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード身振り / 間接的要求 / 幼児
研究実績の概要

本研究は,幼児期の間接的要求場面の理解における身振りの役割を検討することである。例えば,外遊びに出かけようとしている幼児に対して「帽子をかぶってから出てください」ということを発話で明示的に伝達するのではなく,「お外に行く前に,忘れていることはないかな?」と間接的に帽子をかぶることを促す場面を提示し,その際,発話のみで伝える条件と発話と身振りで伝える条件を設定した。また,間接的要求の理解において身振り情報を手がかりにできるかどうかという点に対して,幼児の社会性が関連しているかを検討する。
本年度は,学会発表ならびに成果発表児の意見交換を通しての課題の再検討を行った。本研究で得られている成果は,発話に身振りが付随することで間接的要求の理解が促進されることであった。一方,発話と身振りを提示する「身振りあり条件」の課題得点は,幼児の社会性(理解言語,表出言語,対子ども社会性,対成人社会性)と月齢を統制して相関分析を行ったところ,有意な関連がみられなかった。以上の成果に対して,焦点を当てた身振りが絵本で提示していたことから,動的な軌跡で表現を行う身振りの側面を検討できていないこと,間接的要求場面におけるコーディングに解釈の余地が残されていること,対象者の社会性を測定するうえで用いた尺度の妥当性に関する意見交換を行った。これらの検討事項をもとに,課題の手続きや材料の見直し,新たに作成する必要のある刺激についての検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響によって,研究の進捗状況がおよそ1年近くの遅れが生じている。また,成果発表の過程で新たに課題の問題点や改善の必要性が生じているため,これらの対応についての検討を行う必要が発生した。

今後の研究の推進方策

今後は動画による身振りの提示を含めた課題の作成・提示し,静止画で提示した身振りとの間で間接的要求場面に対する身振りの影響に違いが生じるかどうかを併せて検討する必要がある。さらに,幼児の社会性の発達を測定する指標の妥当性についても検討する。調査の実施に関しては,すでに協力園の内諾を得ることができているが,具体的な実施時期などについては引き続き調整する必要がある。
本研究の計画段階では,間接的要求を第三者から観察する場合と当事者として間接的要求を求められる場合の2条件を設定し,幼児の立場によって間接的要求の理解に差がみられるかを検討する予定であったが,現在までの進捗状況ならびに得られた示唆や検討事項から,これらを含めて実施を行うことが可能かどうかも協力園と協議の上調整を図っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度内で当初計画していた調査の実施をすることができなかったため,人件費・謝金が発生しなかった。また,これに伴って成果発表が限られたため旅費においても利用予定の金額を下回った。本年度は,これまでに作成した刺激に加えて,新たな刺激を作成すること,幼児の社会性の指標として検査用紙の追加購入が新たな予算として発生しているため,余剰分をこちらに当てる予定である。また,本年度には2つの調査を計画しており,それぞれの成果発表を年度内に行う予定であるため,これに係る国内学会旅費として助成金を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 幼児における間接的要求の理解に対する身振り情報の影響2022

    • 著者名/発表者名
      三宅英典・関根和生
    • 学会等名
      日本心理学会

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公開日: 2023-12-25  

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