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2020 年度 実施状況報告書

友人関係の様態を考慮したうつ病大学生へのファーストエイド心理教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K14178
研究機関山形大学

研究代表者

河合 輝久  山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (60780509)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード傾聴 / ファーストエイド / 抑うつ
研究実績の概要

研究初年度の令和2年度では,大学生における抑うつ症状を呈する身近な友人に対する傾聴スキルを測定する尺度を作成し,妥当性および信頼性を検証することが目的であったが,進捗状況にて述べた理由から質問項目の作成と妥当性の一部の検証にとどまった。
当該研究の成果は,本研究課題において最終的に開発する,大学生の友人関係の様態を考慮したうつ病大学生へのファーストエイドスキルに関する心理教育プログラムの効果指標の一つとなるものである。申請者が行ってきた一連の諸研究の成果や先行研究を概観した結果,抑うつ症状を呈する友人に対する傾聴スキルは,その認知的側面および行動的側面に分類可能であったことが示唆されたため,それぞれに関する質問項目を作成した。傾聴スキルの認知的側面として,「聞き取り」,「理解」,「記憶」,「解釈」,「評価の保留」の5領域に関する質問項目を作成した(各5項目計25項目)。一方,傾聴スキルの行動的側面として,「視線を合わせる」,「ペースを合わせる」,「話を遮らない」,「あいづちをうつ・うなづく」,「質問・確認する」,「伝え返す」,「批判的に応答しない」,「表情を示す」,「適度な距離を保つ」,「開かれた姿勢を保つ」の10領域に関する質問項目を作成した(「適度な距離を保つ」は4項目,それ以外は各5項目の計49項目)。
以上の質問項目の内容的妥当性ついて,学生相談の経験のある心理援助職や一般大学生による評定を行っているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画が完了しなかった理由は,COVID-19の感染拡大による影響を考慮したためであった。
当該研究では,対象者である大学生に対して親しい同性の友人が抑うつ症状を呈し始めた場面を示した上で質問項目に回答させる場面想定法を用いることを計画していた。しかし,上記の影響から,全国的に大学での教育活動がオンライン上で行われることとなり,当該研究の対象者である大学生の学生生活上の対人接触・交流機会の減少が予想され,想定場面をイメージしにくい可能性があった。そのため,国内の感染状況に伴う大学の教育活動の動向を踏まえ,データ収集の機をうかがわざるを得なかった。一方で,当該研究はすでに所属機関の研究倫理審査委員会の審査を経て承認を得ており,作成した質問項目の内容的妥当性の検証も行っていることから,データの収集・分析の準備は整っている。したがって,当該研究の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
国内の大学における教育活動の動向に応じ,データ収集を開始する予定であるが,今年度以降も状況が変わらない場合も考慮し,研究計画の変更も検討している。

今後の研究の推進方策

研究初年度に比べ,大学での教育活動はオンライン上のみならず,キャンパスで行う対面授業も並行して行う大学も増えてきたことから,当初計画の通り,データ収集を開始する予定である。その際,現在の通学状況や学生生活の実情を確認する質問項目や,想定場面を実際にイメージできるかといった操作チェックのための質問項目を設ける等して,本研究の対象とする,大学生であるか選別できるようにする方策を検討している。
なお,国内におけるCOVID-19の発生状況が昨年度同様,あるいは悪化した状況が続いた場合,対人接触を想定した場面を用いる計画から,電話やSNS等オンライン上を想定した場面に変更することも検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究初年度に計画していた研究では,調査協力者の募集およびデータ収集のためにインターネット調査会社に委託する予定であったが,先述した理由から当該研究が未完であり,調査会社への委託費が発生しなかった。また,当初計上していたよりも物品費は低予算で抑えられたため,主にこれらの経費が次年度使用額として生じている。
令和3年度は,当初計画の通り,インターネット調査会社に委託し調査協力者の募集およびデータ収集を行うため,これに掛かる費用を中心に初年度未使用額を充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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