研究課題
大学学生相談における科学的エビデンスに基づいた援助プログラムの導入は少ない。本プロジェクトでは、学生相談における、シングルセッションプログラムの実用性を確認し、1年間の長期的予防効果を検証することを目的としている。本年度はまず、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により対面でのプログラム実施が困難になったことをふまえ、当該プログラムの内容を再検討した。特に、オンラインで実施可能なプログラムへの変更、整備を重点的に行った。具体的には、新型コロナウィルス感染症の影響をふまえた表現や言い回しの工夫、イラスト、漫画を多用し、現在の大学生への実用性が高く親しみやすいいプログラムとなるよう整備した。次に、プログラムの実用性の担保として、学生相談の経験が豊富な専門家4名に、学生相談での実現可能性について評価を依頼した。評価項目は「大学生にとって、適切な内容が含まれているか」「参加した大学生に理解しやすい内容かどうか」「新人スタッフでも実施可能か」の3項目であった。次に、新人スタッフ3名に治療プログラムを検閲してもらい、ユーザビリティを確認した。判断項目は「内容が分かりやすいか」「大学生に説明しやすいか」「自分が使えるかどうか」の3項目であった。来年度は、整備したシングルセッションプログラムを実際の大学の学生相談の場にて実施し、その実用性および不安症状に対する1年間の長期的予防効果を検証していく予定である。
3: やや遅れている
本研究の当初の計画では、シングルセッションプログラムは国立および地方都市の複数大学にて、対面で実施検討を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、大学での対面授業および相談の中止が相次いだため、当初の計画の遂行が困難となった。
対面でのプログラムの検証から、オンラインでも実施可能なプログラムの検証へと研究計画を変更し、研究を遂行する。
2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、関係各所(大学等)への出張が困難となったため、旅費が計上されなかった。さらに、研究の遂行に必要な学会への出席もすべてオンラインとなったため、学会参加費と旅費が発生しなかった。2021年度の対面出張および学会参加の可否は未定であるが、可能となった場合は旅費として本助成金から計上を行う予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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巻: - ページ: -
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