研究課題/領域番号 |
20K14186
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福元 優子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (80869090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 母親学級 / 虐待予防 / 世代間伝達 |
研究実績の概要 |
現行の妊婦健診では母親の心身の健康維持と乳幼児虐待予防が取り組まれる一方で、それらのリスクアセスメントでは表面化しない、心理的な要因を抱えた群は潜在したままになっている。そこで本研究では、母親の養育困難や乳児虐待の防止を目的として、母親学級に参加する妊婦を対象に、妊娠期から育児期までの継続的な育児支援プログラムの開発をすることを目的とする。 本研究では妊婦が母親学級において、「①自身の被養育体験を振り返り、気づきを促す②自身の育児課題をより早期に具体的にできる③乳児・子育て・親子関係に対して肯定的に捉えられる」ことをねらい、養育の世代間伝達と、グループセラピーの要素を取り入れた予防的介入プログラムの作成、実施その効果を評価し、妊産婦に必要な支援をより早期に提供できるようにする。そこで本研究では養育困難感の軽減や、乳幼児虐待の防止となることを目的とした妊娠期から育児期までの継続的な育児支援プログラムの開発を行う。 2020年度は新型コロナウィルス感染拡大等により母親学級実施が困難な状況となり、データ収集が見込めず、介入方法の変更について検討をし、各担当者との調整をした。加えて本研究について浜松医科大学倫理委員会にて倫理申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大等により母親学級の開催が難しくなり、集団への介入方法の見直しや使用する尺度の整理、プログラム作成の変更に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は産褥1ヵ月健診で来院する母親にインタビューを実施し、育児支援プログラムを作成する。 産後1ヵ月健診時に、インタビュー調査をし、指標となる質的データの収集を行う。インタビュー内容は「被養育体験」「親との関係性」「親のイメージ」「自身の母親像」「現在の育児について」「育児観・信念」「育てられ方が自身の育児にどのように影響していると考えているか」を中心に行う。データの収集は、半構造化面接を用いて行い、録音を行う。面接時間は60分程度とする。「被養育体験」「IWMについて」「虐待の心理教育」「愛着の世代間伝達」をメインテーマにおき、インタビュー調査で得られた指標を加えて育児支援プログラムの作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査の実施やインタビュー調査が次年度にずれ込んだため、質問紙の多くは未購入であり、物品等で大幅に繰り越しが生じた。また質問紙データの整理を行うための研究補助者に対して支払う謝金ついては未執行である。今年度は、質問紙購入やデータ整理の謝金に使用していく予定である。
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