研究課題/領域番号 |
20K14188
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
岩野 卓 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (30782453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 依存症 / 臨床心理学 / ドロップアウト / 覚せい剤 |
研究実績の概要 |
2020年度に実施できなかったインタビュー調査を無事終了した。2020年度は6名のインタビューしかできなかったが,本年度は追加で8名にインタビューを行い,合計14名にインタビュー調査を実施することができた。そのため,インタビュー調査については終了し,現在分析を行っている。逐語データの分析は,質的研究の専門家1名,依存症治療の専門家1名の協力を得ている。また,当事者にデータ分析後のフィードバックを行い,集計結果の妥当性を確認するための依頼をしており,協力の内諾を得ている。 データは薬物依存症当事者の率直な意見が反映されており,貴重なデータと考えられる。一方で,当初は治療からの脱落要因について話を伺っていたが,予想以上に「覚えていない」「分からない」という回答が多く,反対に治療を継続している理由を伺うと,要点についての情報を得ることができた。この点は,研究を進めて初めて明らかになった点であり,本研究のオリジナリティであると考えられる。 ここから先は,データを数値化して測定できるように加工を行い,国内の依存症治療期間や当事者団体の協力を得ながら,量的なデータを使って依存症の治療継続のための方法を明らかにする段階であり,達成時には大きな社会貢献が可能と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度および2021年度夏までの間,Covid-19のため対面式のインタビュー調査が実施できず,研究は大幅に遅れた。その間,研究計画後半の作業を前倒しして準備したものの,インタビューデータが無いことから,実際に研究を進めることができなかった。現在,急ピッチでデータの分析を進めているが,当初のスケジュールと照らして考えると,現時点でもまだ進捗状況は「遅れている」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度前半までに,現在のインタビューデータの分析を終える。その後,量的データの調査を実施し,並行して依存症の治療に関わる医療スタッフへの教育プログラムを作成する。教育プログラムの開発については,医療教育を専門とする研究者数名から協力の内諾を得ている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度にコロナのため研究が遅延し,多額の使用予定金額が未使用のままであった。2年目でもある本年度も,当初の予定通りに進んでいないため,次年度使用額が生じた。次年度はできる限り研究計画を早めて実施するが,年度内に全ての計画が終わらない場合は,延長申請も検討する。
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備考 |
個人のHP
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