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2020 年度 実施状況報告書

セラピストの面接技術がクライエントの行動変化をもたらすメカニズムの実験的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K14203
研究機関神戸学院大学

研究代表者

村井 佳比子  神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (40805157)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード反応変動性 / 言語フィードバック / 個体内変動
研究実績の概要

本研究の目的は、教示に「自分の反応を見る」という手続きを含めるか否かによって、個体内に反応変化の差が生じるかどうかを実験的に検証し、カウンセリングの面接技術の中のクライエントの行動変化を促進する重要な要因は何かを明らかにすることである。研究は、第1段階「実験用プログラムの作成と予備実験」、第2段階「実験プログラムによる反応測定」、第3段階「データ分析」、以上3段階で実施する計画となっている。
2020年度は、第1段階の実験用プログラムの作成と予備実験を実施した。実験用プログラムは、マウスのボタンを3回押して得点を獲得するPCゲームで、これを5回繰り返す構成になっていた。予備実験では1つのゲームが終わるごとに「どのように押すと得点が上がりましたか」とたずね、言語フィードバックなし群(大学生3名)には「はい、結構です」とだけ伝えて次のゲームを始めてもらった。言語フィードバックあり群(大学生4名)には、奇数回では単純な聞き返し(相手の言葉をそのままフィードバック)、偶数回では複雑な聞き返し(言葉の意味や状況のフィードバック)を行った。その結果、言語フィードバックなし群では、反応は5ゲームともほとんど変わらず、高い変動性(変化の程度)を保っていた。しかし、言語フィードバックあり群では、フィードバックの内容にかかわらず反応が変化し、その変化には個人差が生じた。以上のことから、単に自分の反応を報告するだけでは反応に大きな影響はないが、何らかのフィードバックがあることで変化が生じることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研の3つの研究段階のうち、2020年度の目標である第1段階「実験用プログラムの作成と予備実験」については完了し、その成果は2020年8月の日本行動分析学会第38回年次大会において発表している。この結果をもとに、フィードバックの有無や種類による反応への影響の差をより明確にするための、個体内で反応の違いを測定する新たなプログラムを作成した。プログラムは完成しており、研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、実験を遠隔で実施する必要が生じたため、現在、プログラム改定作業を進めている。作業は順調に進んでおり、2021年度の目標である第2段階「実験プログラムによる反応測定」作業には影響しないと判断している。作業が終わり次第、参加者を募集して実験を実施し、2022年度には第3段階「データ分析」を行い、結論を得ことができると考えている。

次年度使用額が生じた理由

2020年度については新型コロナ感染症の影響で予備調査が断続的な実施となったため、実験参加者への謝金の支払いは自費で行った。2021年度には遠隔による実験実施準備が整い、次年度使用額を実験実施費用に充当して実施する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 言語フィードバックの有無と種類が 反応変動性に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      村井 佳比子
    • 学会等名
      日本行動分析学会第38回年次大会

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公開日: 2021-12-27  

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