2021年度は、2020年度に引き続き、AT for SNS(大学生のSNSコミュニケーションに対するアサーション トレーニング)を作成するための基礎的知見を収集した。さらに、その基礎的知見に基づき、AT for SNSを作成した。 まず、各SNS実施時の心的状態を明らかにするため、質問紙調査(Web調査)を実施した。具体的には、大学生671名に対して、LINE、Twitter、Instagram使用時における他者の視点取得、境界の曖昧さ、公的自意識、二分法の選好、日常的離人感、防衛機制(投影、行動化)などの程度を尋ねた。既卒の大学生、SNS利用にストレスを感じていない大学生などは分析対象から除外した。分散分析を用いてサービス間での利用時における各得点を比較したところ、視点取得、日常的離人感でサービス間に有意な得点差が見られた。 次に、2020年度、2021年度に実施した基礎的知見の結果を踏まえ、AT for SNSプログラムを仮作成した。具体的には、多様な視点を取得することをポイントとして、攻撃的なメッセージを一方的に送られた際の対応方法、受け手に混乱を生じさせるようなコミュニケーション(パッシブ・アグレッシブ)への対応方法を習得するプログラムを仮作成した。そして、仮プログラムを2つの小グループ(5名)に実施し、プログラムを修正した。最終的に、2つのモジュールを含む本プログラムを作成した。
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