研究課題/領域番号 |
20K14219
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野村 あすか 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 准教授 (90747586)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 外国人児童 / ウェルビーイング / 心理アセスメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本在住の外国人児童生徒のウェルビーイング(心身ともに良好な状態)に関する包括的なアセスメントモデルを構築し、外国人児童生徒の支援者への提言を行うことにある。補助事業期間内には、1)文献研究、2)ウェルビーイングに関する縦断研究、3)投影法による心理アセスメント研究を行うことを計画している。 2021年度は2020年度に引き続き、1)および2)に関連する研究に着手した。1)文献研究については、外国人児童生徒のウェルビーイング研究や心理アセスメント研究に関する国内外の文献収集を進め、研究動向や今後の課題を整理した。また、2)ウェルビーイングに関する縦断研究については、昨今の状況を鑑み、児童生徒への調査は次年度に持ち越すこととしたが、本研究課題の関連研究として、これまでに実施した日本在住の外国人児童のウェルビーイングに関する研究の成果をまとめ、日本学校心理学会第23回福岡大会の理事会企画シンポジウムにて発表した。学校現場において、外国人児童の日本語習得のための指導は重要であるが、それに加えて、精神的健康や友人との関係性、学習面の不安などの心理的側面にも配慮したかかわりも重要になることや、児童と教師との日頃からの関係作りがウェルビーイング向上の鍵となることなどについて、広く参加者に発信することができた。本研究で得られた成果と課題に基づいて、今後、縦断研究を計画していく予定である。なお、これまで実施した外国人児童のウェルビーイング研究に関する成果は、現在、書籍にまとめおり、2022年度中の発刊を目指している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度に引き続き、1回目の縦断調査を実施することができなかったため、当初の研究計画よりも遅れている状況にある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は外国人児童のウェルビーイングに関する縦断研究および心理アセスメント研究の計画をより精緻化し、調査実施に向けての準備をを進めていく。その際には、昨今の学校現場の状況を十分に把握したうえで、可能な限り調査に伴う負担が少なくなるように、研究計画を一部見直すことも検討する。得られた成果は国内外における学会発表および論文投稿等により公開する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由としては、1)成果発表等のための国内外旅費が発生しなかったこと、2)調査実施やデータ分析が次年度に持ち越しとなったため、関連する人件費・謝金が発生しなかったことが挙げられる。これらについては、今後の使用額と合わせて、国内外旅費、調査実施やデータ分析に関わる人件費・謝金等として使用することを計画している。
|