| 研究課題/領域番号 |
20K14221
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| 研究機関 | 西九州大学短期大学部 |
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研究代表者 |
清水 陽香 西九州大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (30851414)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 報酬感受性 / 罰感受性 / 親子データ / 強化学習モデル |
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| 研究実績の概要 |
本申請課題の目的は，報酬や罰に対する養育者と子どもの反応傾向を強化学習モデルに基づいて推定し，それらの親子での類似性と，養育者の反応傾向が子どもの心理的適応に及ぼす影響を明らかにすることであった。
第2年度は，第1年度に中学生の子どもとその両親を対象として実施したオンライン調査および実験の結果について，国際学会にて発表を実施した。また，当該の知見の再現性を確認するため，より大きなサンプルサイズ（169組）を対象とした追試を行った。データの分析の結果，強化学習モデルが適用可能であることが再度確認された。また，前年度の調査によって得られたデータと同程度の学習率が推定された。さらに，自己報告による報酬感受性・罰感受性に関して，両親と子どもの間に正の関連が示された。したがって，自己報告による親子の報酬／罰感受性の類似性に関しては，ある程度頑健な知見であると考えられる。ただし，養育者の養育行動と子どもの報酬／罰への反応傾向の関連については，前回と同様の結果は得られなかった。この結果については次年度に国内外の学会での発表を予定している。
さらに第2年度には，報酬／罰感受性に加えて，報酬と罰の選択行動の推定も可能となる，新たな認知課題のプログラム作成を行った。このプログラムについては予備実験を完了し，調査会社との調整がつき次第本実験を開始できる状態にある。次年度には，養育者と子どもの両方を対象としたオンライン実験を実施し，強化学習モデルを適用して推定された報酬／罰への反応傾向の関連を明らかにする計画である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2年度には中高生とその養育者に対して認知課題を実施し，強化学習モデルに基づいて報酬および罰への反応傾向を推定する予定であった。しかし，より精緻に学習率を推定可能な実験プログラムの作成に時間を要したことにより，予備実験までを実施した状態で第2年度を終えることとなった。ただし，すでに実験実施の準備はおおむね完了していること，参加者の確保に関しては調査会社への委託が可能なことが確認できていることから，研究計画全体の進捗として大きな遅れはないものと考える。
以上をふまえ，本申請課題の進捗状況はやや遅れていると判断する。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度となるが，前期のうちに中高生の子どもと養育者に対するオンライン調査を実施し，親子の報酬／罰への反応傾向，および適応指標の関連を明らかにする。その結果に基づき，子どもと養育者の両方の心理的適応を高めるためには養育者のどのような反応傾向が望ましいのかを明らかにし，そうした反応傾向の学習が可能な介入手法を考案する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
申請時は複数の国際学会および国内学会への参加，また関連領域の研究者との打ち合わせを予定していた。しかし，第1年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりその多くが中止もしくはオンライン開催に変更された。そのため，旅費が不要となったことが大きな要因となり，次年度使用額が生じた。
最終年度も同様の状況が続くと予測される。調査や実験については，引き続き可能な限りオンライン上で実施可能な手続きを取ることが求められる。そのためには調査会社のモニターを利用することが必要となり，高額な費用が発生する。加えて，より頑健な知見を得るため，調査および実験のサンプルサイズは必要十分なものにしなければならない。また，データ解析等に協力を得た研究者への謝礼支払いも予定している。加えて，社会状況によっては国内外で対面での学会や研究会が再開される可能性も考えられるため，その場合の旅費等も必要となる。翌年度分として請求した助成金と合わせ，これらに使用することを計画している。
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