研究課題/領域番号 |
20K14232
|
研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
綾城 初穂 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60755213)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 関係者会議 / ナラティヴセラピー |
研究実績の概要 |
【研究目的】「チームとしての学校」が模索されている近年の教育現場において、心理職には、教員をはじめとする関係者との連携がこれまで以上に求められてきている。しかし、連携にあたって必要となる効果的な会議を実施するための具体的な手法は不明確である。そこで本研究では、社会構成主義と修復的正義の視点から開発された『修復会議』を参考に、日本の教育現場で活用できる効果的な関係者会議の方法を開発することを目的とした。 【実施内容】主に次の3点によって研究を進めていく。(A) 日本の教育現場の状況や先行研究を踏まえて『修復会議』の手法をアレンジし、関係者会議方法を暫定的に開発する。(B)開発した関係者会議の方法を現場で複数回実践し、効果検証と手法の修正を行う。(C)ここまでのプロセスを通して開発した関係者会議の方法と実践プロセスを社会構成主義の視点から理論化する。加えて、本研究者以外の専門職によって本プロセスを実践してもらい、その利用可能性を検討する。 【研究成果】コロナウィルス感染症拡大を受け、オンラインで実施できるようさらにアレンジを加えた関係者会議の方法について、複数のフィールドで実施し、問題点の明確化と改善を繰り返した(上記A及びBに相当)。当該調査の分析結果の一部については2022年度に学会において発表した(上記C前半に相当)。また、教員を含めた関係者間での会議の分析から、複数のストーリーを前提とする社会構成主義的な態度が有益であることを見出し、論文としてまとめた(上記C前半に相当)。コロナウィルス感染症拡大の影響もあり、本研究者以外の専門職による実践実施については進んでいないものの、オンラインによる関係者会議において、ファシリテーターをオンライン上と現場のどちらにも設けるという試みが行われ、ここでは心理職だけでなく教師による実践も可能であることが示唆された(上記C後半に相当)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、(A)(B)(C)の3点については部分的に達成されているものの、コロナウィルス感染症拡大の影響で研究者以外の実施者に関する十分な調査が行えず、「やや遅れている」に位置付けられる。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、データ分析を通して、手法の理論化を目指す。コロナウィルス感染症の影響をできるだけ抑えながら、円滑かつ安心して関係者間で会議ができるよう、特にオンラインによる実践を中心に検討を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染症の問題から、調査がほとんどできず、次年度使用額が生じた。令和4年度はオンラインによる調査・使用可能なデバイスについて検討する予定である。
|