研究課題/領域番号 |
20K14234
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
毛利 真弓 同志社大学, 心理学部, 准教授 (70780716)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性問題行動に対応する専門家のニーズ / 性問題行動に対応するための知識とスキル / 性問題リスクアセスメント(少年) |
研究実績の概要 |
性問題行動を扱う組織・施設での実践と職員指導と併合した聞き取り調査…成人の性犯罪者を収監する刑務所(1か所)、性問題行動を起こした少年が措置される児童自立支援施設(3か所)及び児童相談所(4か所)での専門家への指導を通じ、組織の特性や対象者の年齢に応じてどのような知識が足りていないか、どのような研修ニーズがあるかを把握した。 ATSA(Association for the Treatment of Sexual Abusers:性犯罪者処遇学会:オンライン実施)に参加し、最新の研究に関する知見を収集するとともに様々なワークショップに参加して、研修の組み立てについて調査した。 ATSA(同上)の専門家向けオンデマンド研修教材を購入(受講)し、配布形式や講義の構成の在り方について調査を行った。 最新の少年用リスクアセスメントツール(Youth Needs and Progress Scale)を日本の専門家が使えるようにすべく、尺度の翻訳を行い、開発者とデータ収集や展開(研修方法)について打ち合わせを行った。 社会内において成人の性問題行動に取り組む専門家が把握しておくべき情報について、実践を通じた報告として学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該問題に対する国内の有識者を招いてのイベント開催や意見交換については、コロナ禍の状況で実施を見送ったが、専門家への調査や動画研修を購入しての他国での実践調査は順調に進んでおり、計画全体に大きな影響を及ぼすおそれは少ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
性問題を扱う専門家の多様なニーズに対応できる最大公約数かつ負担にならない量のカリキュラムを具体的に計画し、有識者に知見を供与していただきつつ実際の研修教材作成に取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染予防のため地方をまたいだ有識者の知見供与機会を減らさざるをえなかったほか,動画撮影について感染予防と受講者に見やすい録画環境の両立ができなかったため,知見を共有するイベントや動画撮影を次年度に延期した。次年度に移行した費用については,研修動画撮影撮影・作成した研修動画を編集し、配布可能な媒体に保存することについて専門業者に委託する費用である。 また、日本の専門家に展開するリスクアセスメントツール(少年用)について、①専門家によるダブルバックトランスレーションを行うため翻訳業者にチェック作業について委託する費用、②アセスメントツールの開発者による日本の専門家向けの研修を行っていただくための謝金が次にかかる費用である。その他、動画撮影時の専門家への知見供与謝金や、学会参加費・研修動画購入費にも充てる予定である。
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