研究課題/領域番号 |
20K14240
|
研究機関 | 神戸親和女子大学 |
研究代表者 |
古川 心 神戸親和女子大学, 文学部, 講師 (90760661)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | PCIT / 親子相互交流療法 / 親子関係支援 / 虐待・マルトリートメント予防 / 発達障がい |
研究実績の概要 |
発達障がいをもつ子どもとその保護者に対して、グループ Parent-Child Interaction Therapy(PCIT:親子相互交流療法)日本版を開発し、その有用性を検討することが本研究の目的である。そのため、すでに開発されている米国でのプログラムを日本の文化や子育て環境等に合わせて修正していく必要性があるかも含め、検討しなければならない。 2020年度は、実施計画に従い、プロトコルの翻訳、神戸親和女子大学の研究倫理委員会に倫理申請を行った。 PCIT創始者で、グループPCIT開発者の一人であるSheila Eyberg博士から、継続的なスーパーバイズを受けながら、プロトコルの翻訳を行うと共に、日本に合わせた必要な修正について検討を行った。さらに、開発グループのフロリダ大学研究チームとも定期的にミーティングを行い、セラピストの養成と連携、セッションの進行についての指導を受け、グループへの介入実施のための具体的な準備を進めた。また、グループPCITを行う上で、セラピストの質の担保は重要となることから、PCIT International認定のセラピストトレーナー資格(PCIT Within Agency Trainer)を取得し、セラピストの養成・教育を行える環境を整えた。神戸親和女子大学研究倫理委員会からの承認を得ることができ、2021年度は、グループデザインでの実証的な研究を実施する予定である。 また、COVIT-19の影響を鑑み、オンラインでもプログラムが実施できる環境を整えるべく、2020年度には、インターネットPCITを導入、数人のセラピストと協働して個別のケースに実施した。その結果、対面と差のない効果を検証することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度において、フロリダ大学の開発チームの協力・指導を受け、プロトコルの翻訳、日本への適応に関する検討を実施し、発達障がいをもつ子どもとその保護者に対するグループPCITの日本における適用の具体について検討することができた。また、Eyberg博士からの直接のスーパーバーズを受けることができた。加えて、グループデザインを用いた実証的な研究を行うための、プロトコル第1版の作成ができ、倫理審査からの承認を得ることができた。 さらに、2021年度から予定しているグループへの実施に向けて、神戸親和女子大学子育て支援広場「すくすく」と連携し、対象者のリクルートを開始することができた。あわせて、関係機関とも連携し、PCITの周知・研究協力へのリクルートに向けた活動も開始することができた。 以上より順調に研究が進んでいると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、症例研究を継続し、第1版をブラッシュアップさせ、マニュアルを完成させる。2021年8月にオンラインで行われる2021 PCIT International Conventionで海外の研究者との意見交換を行う。12月には国内での学会でポスター発表を行い、国内の研究者との意見交換を行う。10月からは、グループPCITを実施する予定である。その結果をまとめ、2022年度の国際学会発表、論文執筆の準備を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で、必要に応じて研究費を執行したので、当初の見込み額と執行額は若干異なった。しかしながら、研究計画に変更はなく、当初の予定通り計画を進めていく。
|