研究課題
本研究の目的は、①発達障がい児とその保護者へのグループPCIT(親子相互交流療法)日本版を開発すること、それを用いて、②コミュニティレベルにおける発達障がいの子どもとその保護者に対する親子関係の改善とマルトリートメント(不適切な養育)予防を目的とした支援の方法を検討することにある。日本の文化を考慮した修正が必要なことに加え、研究実施期間中、2020年から続いた新型コロナウイルス感染症の流行による影響により、対象者のリクルートやプログラムの実施の方法についての検討が求められた。2021年度は上記の検討点を踏まえた修正を行い、2022年度には、グループPCITを2回実施し、その有効性が実証されるデータを取得することができた。2023年度はさらにプログラムの実施を重ね、結果として子どもの問題行動・養育者の育児ストレスの減少がみられた。また、養育者からは親子関係の改善や育児への自信の回復が報告され、プログラム参加への満足度調査では、非常に高い結果が得られた。今後、地域の公共機関での実施も決定しており、コミュニティレベルにおける予防的支援として継続していきたい。また、グループPCITの展開として、日本の母子生活支援施設でのグループPCITに関する国際共同研究の研究代表者として、本研究の知見を活かしたプロトコルの開発等を行った。本研究の成果について国際学会(ABCT [Association for Behavioral and Cognitive Therapies)] 57th Annual Convention)および国内研究会(第13回 PCIT & CARE合同研究会)での発表、論文執筆を行った。
すべて 2024 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
神戸親和大学研究論叢
巻: 57 ページ: 1-7