研究課題/領域番号 |
20K14241
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 美保 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (50735933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 行動変容 / 糖尿病 / 患者心理 |
研究実績の概要 |
本研究では,増加の一途をたどり対策が急務とされている2型糖尿病患者の運動療法に着目し,患者のセルフケア行動の遂行が未だ不十分なのはなぜか,『セルフケア行動の遂行を抑うつ・不安が阻害しているのではないか』との仮説を基に研究を進めている。 糖尿病患者ではうつ病や不安症の発症率が高いことが指摘されており、糖尿病とうつ病を併発した患者をDiapressionと呼ぶ造語もある程,注目が集っている。うつ病を併発している糖尿病患者では,活力や興味・喜びの喪失によって,日中に横になって過ごしてしまっている臥床時間が長く,その結果,セルフケア行動の実施に至れていないのではないかと考えられる。しかし,患者の日中の過ごし方や臥床時間・睡眠時間等の要因を含めた検討は行われていない。そこで本研究では,患者の抑うつ・不安を阻害要因として,さらに臥床時間・睡眠時間を介在要因として,運動療法への影響性を明らかにしていく。 本年度は2型糖尿病患者の運動療法の遂行を阻害する要因として,臥床時間・睡眠時間,さらに睡眠効率に注目し,先行研究のレビューを行い,日常生活における活動量との関連性について検討した。一方で,新型コロナウィルス感染症の影響により,調査フィールド・対象者の確保には苦慮している。現状を踏まえ,データ収集については感染対策を十分に講じ,対象者・医療現場双方に負担をかけることのないような方法として,Web調査等,実現可能な方法を再度検討しつつ進めていくことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により,調査フィールド・対象者の確保に苦慮し、調査方法の一部変更を検討する必要がある。対象者の安全性を確保し,医療現場の業務圧迫にならないよう,Web調査など非対面による調査の実施を検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では,地域のかかりつけ医に通院している2型糖尿病患者200名を調査対象者として想定していた。しかし,新型コロナウィルス感染症の感染拡大が治まる気配はないため,Web上での調査に変更が必要であると考えられる。したがって,非対面による書面のみでの説明によるデータ収集の正確さを確保できるよう,工夫や留意が必要であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により学会参加を見合わせたり,Web開催のものに参加したため,旅費が不要となった。また,データ収集には至れていないため,データ収集に必要な物品等の購入は行わなかったため,次年度使用額が生じた。 現在,非対面・非接触型のデータ収集としてWeb調査を実施できるように準備を進めている。そのため,令和3年度は前年度未使用金を含め,Web調査が滞りなく実施できるよう計画・実行していく予定である。
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