研究課題
本研究は社会的促進のメカニズム検討のため、前部帯状回破壊が及ぼす社会的促進への影響を検討することが目的である。社会的促進とは、他者の存在の有無によって促進が生じる現象であり、他者の存在が観察者であるときと(観察効果)、他者の存在とともに同じ課題に従事するとき(共行動効果)とで、分けられている。前部帯状回を破壊したラットにおいて、水飲み行動およびパスタ摂食行動において、観察効果が生じず促進がみられなかった。一方、共行動効果には前部帯状回破壊の影響がみられず、促進が生じた。これまで、水飲み行動に特異的に生じる結果であるかどうかが問題であったが、異なる行動試験、摂食行動においても同様の結果が得られ、行動試験が完了した。脳スライス作成完了し、すべての染色が完了し、破壊範囲の算出がほぼ完了している。現在執筆準備中である。統合失調症モデルラット(MKラット)を用いて検討した結果について、再投稿前である。MKラットでは、溶媒群と比較して、観察効果と共行動効果がみられなかった。さらに、ボックス内への馴化がMKラットでは難しいことが先行研究より明らかであるため、ホームケージ内にて、共行動効果に焦点をあて追加検討した。その際、ペアをモデル動物同士から、ナイーブ個体をペアの相手として、より促進効果が高まる状況にし、共行動効果について検討したところ、MKラットでは促進が生じなかった。MKラットは線条体の変異が報告されていることから、今後実施予定の線条体操作による共行動効果への影響の検討につながる成果である。
2: おおむね順調に進展している
行動試験が完了し、染色が完了し、執筆準備中であるため。
統合失調症モデル動物について、ショートペーパーで出すがなかなか難しい状況で、色々と戦略を組みつつ投稿先を探しているので、良い投稿先があれば、すぐに投稿していく。ACC破壊の社会的促進については、破壊領域を測る作業もほぼ完了したため、執筆し投稿世予定である。
検体の脳スライスおよび染色と撮影が間に合わないため、外部委託したため。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 10件)
Frontiers in Pain Research
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