乳児期の聴覚-運動感覚の統合過程において予測的なホメオスタシスの維持が行われる可能性について検証することを目的とし、乳児期早期の児を対象に、四肢運動および自発発声を聴覚フィードバックし、その際の行動・生理活動の変化のプロセスや両者の相互作用を検討した。その結果、申請者らは、生後3ヶ月児は四肢運動の可聴化経験を通じて、運動頻度を増加させることに加え、聴覚フィードバックのタイミングを予期して心拍数の増加を抑制していることを明らかにした。この結果は、乳児期の聴覚-運動学習の際に心血管系の予測的な制御が行われていることや心血管系の予測的な制御が、目標志向的行動や音楽行動の基盤となることを示唆している。
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