研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「体験の伴う」表情について明らかにすることは,感情の理論を再構築するための基盤を提供する意味で学術的意義を持つ。従来の感情理論は,基本感情理論と呼ばれる感情と表情の対応を意図的に作られた表情に依拠して説明するモデル (e.g., Ekman, 1999) であった。そのため,「実際の感情が生じる場面」での説明力が希薄であり,その理論に依拠して作られた感情推定アルゴリズムなども失敗を余儀なくされてきた。本研究成果はそれら従来の問題に対して,「実際の感情体験場面で生じうる平均的な表情運動」を記述するものである。すなわち,より精度の高い感情推定アルゴリズムの開発に与する社会的意義も有している。
|