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2022 年度 実施状況報告書

異種への親和性形成におけるオキシトシン神経系の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K14260
研究機関自治医科大学

研究代表者

岡部 祥太  自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (00747256)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードラット / 超音波 / オキシトシン / 親和性 / 不公平忌避
研究実績の概要

撫でられることを好むラットの前で別のラットを撫でたり、社会的に隔離することにより、ラットが不快情動の指標となる超音波と類似の音声を発することをこれまで明らかにしてきた。本年度はその音響特性の詳細についての分析を進めた。そして、これらの音声には快情動の指標となる音声や不快情動の指標となる音声とも異なる音響特性があることを発見した。具体的には持続時間が短く、31 kHz程度の周波数を持っていることがわかった。報酬が得られないことなど欲求が満たされない不満を表す音声である可能性があり、31-kHz callと名付けて論文発表した。
現在、この31-kHz callの生物学的な意義を明らかにするために、31-kHz callの再生実験などを進めており、快情動や不快情動の指標となる音声とは異なる機能を持つことを明らかにしつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超音波領域の音声の再生に必要な機器や行動・生理反応を測定する機器の調達が完了し、安定的にデータを取得できている。また、31-kHz callの発声が生じる要因を探索する実験も進んでおり、順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

31-kHz発声の生物学的意義を探索するための実験心理学的な実験を進める。また、一部結果については年度内の論文化を目指す。音声に曝露された際の神経活動についても調査する予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部の行動実験のスケジュールに遅延が発生したため、実験に必要な動物の購入費用として繰り越した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 情動表出としてのげっ歯類超音波発声 : マウスとラットにおける音声コミュニケーション2023

    • 著者名/発表者名
      岡部 祥太, 菅野 康太
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 79 ページ: 41, 48

    • DOI

      10.20697/jasj.79.1_41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel 31-kHz calls emitted by female Lewis rats during social isolation and social inequality conditions2023

    • 著者名/発表者名
      Shota Okabe, Yuki Takayanagi, Masahide Yoshida, Tatsushi Onaka
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 26 ページ: 106243

    • DOI

      10.1016/j.isci.2023.106243

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 他者との親和的関係性構築の研究から見出されたラットの新規超音波発声とオキシトシンニューロンの賦活化2023

    • 著者名/発表者名
      岡部祥太, 高柳由紀, 吉田匡秀, 尾仲達史
    • 学会等名
      バソプレシン・オキシトシン研究会
  • [学会発表] 仲良くなるを科学するー親和的関係性の構築メカニズムについてー2022

    • 著者名/発表者名
      岡部祥太
    • 学会等名
      第29回日本未病学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] A novel ultrasonic vocalization emitted by rats during social inequality condition2022

    • 著者名/発表者名
      Shota Okabe, Yuki Takayanagi, Masahide Yoshida, Tatsushi Onaka
    • 学会等名
      日本動物心理学会第82回大会

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公開日: 2023-12-25  

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