研究課題/領域番号 |
20K14260
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡部 祥太 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (00747256)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラット / 超音波 / オキシトシン / 親和性 / 不公平忌避 |
研究実績の概要 |
撫でられることを好むラットの前で別のラットを撫でたり、社会的に隔離することにより、ラットが不快情動の指標となる超音波と類似の音声を発することをこれまで明らかにしてきた。本年度はその音響特性の詳細についての分析を進めた。そして、これらの音声には快情動の指標となる音声や不快情動の指標となる音声とも異なる音響特性があることを発見した。具体的には持続時間が短く、31 kHz程度の周波数を持っていることがわかった。報酬が得られないことなど欲求が満たされない不満を表す音声である可能性があり、31-kHz callと名付けて論文発表した。 現在、この31-kHz callの生物学的な意義を明らかにするために、31-kHz callの再生実験などを進めており、快情動や不快情動の指標となる音声とは異なる機能を持つことを明らかにしつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超音波領域の音声の再生に必要な機器や行動・生理反応を測定する機器の調達が完了し、安定的にデータを取得できている。また、31-kHz callの発声が生じる要因を探索する実験も進んでおり、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
31-kHz発声の生物学的意義を探索するための実験心理学的な実験を進める。また、一部結果については年度内の論文化を目指す。音声に曝露された際の神経活動についても調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の行動実験のスケジュールに遅延が発生したため、実験に必要な動物の購入費用として繰り越した。
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