研究課題
異種に対する親和性の形成におけるオキシトシンの機能解明を目指した研究の途上で、人に対して親和的な反応を示すようになったラットが不公平条件などの条件下で発する31-kHz帯域の超音波を発声することを明らかにした。この音声の生物学的意義の解明はラットの情動を推察する上で重要であり、異種間の関係性の性質を推し量る要素となる可能性がある。そこで、音声の再生実験を進めラットの反応を調査した。ラットが発する様々な超音波を曝露し行動を観察したところ、ラットが仲間と遊んだり報酬を与えられた時に発する50-kHz帯域の音声と同様に31-kHz帯域の超音波に対してラットが接近行動などを示すことが明らかになった。この実験では一匹のラットから録音した音声を用いていたため、他のラットが発した31-kHz帯域の超音波の再生実験も行い、超音波曝露時の行動・神経活動が普遍的な現象かどうか検証を進めている。次に親和的な関係性構築におけるオキシトシン神経系の機能検証も進めた。具体的には親和性を示すラットが人と触れ合っている際のオキシトシン受容体発現細胞の神経活動を調査した。さらに、実験対象を人とロボットにまで拡張した研究を行い、ロボットと人の親和性の形成にオキシトシンが機能する可能性を明らかにした。これらの研究については分析を進めており、一部は論文としてまとめ、現在投稿中である。
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iScience
巻: 26 ページ: 108562, 108562
10.1016/j.isci.2023.108562
日本音響学会誌
巻: 79 ページ: 41, 48
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