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2021 年度 実施状況報告書

乳児期における身体所有感の発達ーラバーハンド錯覚を用いた検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 20K14265
研究機関中央大学

研究代表者

楊 嘉楽  中央大学, 研究開発機構, 機構助教 (80844703)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード乳児 / ラバーハンド錯覚
研究実績の概要

ラバーハンド錯覚(Rubber hand illusion, RHI)の発見により、成人を対象に身体所有感の生起メカニズムが盛んに検討されているが、その発達プロセスは未だ解明されていない。ラバーハンド錯覚の生起する際に、本物の手とラバーハンドとの間に3つの制約(時間的一致性・空間的一致性・解剖的一致性(Botvinick & Cohen, 1998; Ehrsson et al., 2004; Tsakiris & Haggard, 2005) )が存在することから、RHIは、視覚情報・触覚情報及び自己受容感覚情報の一致により、身体所有感が多感覚間統合を通して再構成され、ラバーハンドに移された現象であると認識される。本研究では、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用い、多感覚統合による身体表象の発達を検討した。実験では、8ヶ月児を被験者とし、金属棒が手の甲に接触するフリッカ映像を観察させ、映像に同期して実際の接触がある条件と、まったく接触しないでSSVEP誘発量を比較した。結果の解析には、触覚刺激に注意を向けず視覚刺激を注視している試行のみを用いた。その結果、触覚刺激なし条件と比べ、触覚刺激あり条件のSSVEP誘発量が高いことが判明した。この結果から、多感覚入力を統合した身体表象は生後7-8ヶ月で既に発達していることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響で、実験の実行と実験参加者の募集が困難になった。

今後の研究の推進方策

実験対象者を4ヶ月児までに拡大し、多感覚統合による身体表象の発達プロセスをより詳細に検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID‐19により、実験の実施と実験参加者の募集が困難になったため、実験計画の実行はやや遅れている。来年度は、予定の実験参加者を募集することと、データ分析するための業務委託と、学会・論文発表に関する費用が計上されている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Development of body representations in human infancy2021

    • 著者名/発表者名
      Yang, J, Yamaguchi, M. K, Bremner, A. J
    • 雑誌名

      Philosophy & cultural embodiment 1

      巻: 1 ページ: 18,28

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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