研究成果の概要 |
ねじれホモロジー群, コホモロジー群といった幾何学的な道具を用いて, 超幾何関数を研究した. Lauricella's F_C と呼ばれる超幾何に対し, モノドロミー群が有限既約になる場合についてその構造を詳しく調べた. 確定特異点型のGKZ超幾何系の級数解に対応するねじれサイクルに対する交点数の明示公式を与えた. また, Riemann-Wirtinger 積分と呼ばれる, 1次元複素トーラス上の超幾何積分に対する幾何学的な研究も行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超幾何関数は数学の諸分野のみならず, 統計学, 数理物理学においても登場する重要な関数の1つである. 超幾何関数の研究は様々な方面から行われているが, 特に積分表示およびそれに付随した幾何学的な構造(ホモロジー・コホモロジー)を利用して研究を進め, 深く理解していくことで, 多くの性質(公式など)を組織的に導出する方法が得られる. さらに, こうした性質が数理物理などの関連分野へ応用されていくことも期待できる.
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