研究課題/領域番号 |
20K14288
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
神田 遼 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任講師 (50748324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Feigin-Odesskii楕円代数 / Yang-Baxter方程式 / R行列 |
研究実績の概要 |
FeiginとOdesskiiによって導入された楕円代数は、高次元正則代数の典型例である(高次元)Sklyanin代数の一般化であり、非可換代数幾何学および表現論における重要な研究対象である。このFeigin-Odesskii楕円代数の性質を代数・幾何の両面から包括的に調べることが本研究の目的の1つである。研究代表者はAlex Chirvasitu氏およびS. Paul Smith氏との共同研究において、Sklyanin代数について知られていたいくつかの環論的性質が、ほとんどのFeigin-Odesskii楕円代数についても満たされることを明らかにした。特に、それらがKoszul代数であること、Artin-Schelter正則代数であること、および多項式環と同じHilbert seriesを持つことを証明した。このことから、Feigin-Odesskii楕円代数のKoszul双対として得られる代数のほとんどが、Frobenius代数であること、および外積代数と同じHilbert seriesを持つことが従う。これらの証明にはYang-Baxter方程式の解であるR行列が重要な役割を果たした。さらに、このR行列によってFeigin-Odesskii楕円代数の積構造が非常に簡明な形で理解できることが明らかとなった。これらの結果を1本のプレプリントとしてまとめ、発表した。一方で、今回の研究に用いた手法では、特定のパラメーターを持つFeigin-Odesskii楕円代数の環論的性質を明らかにすることができなかったため、新しい手法による分析が今後の課題として残った。また、Sklyanin代数について知られている性質であって、Feigin-Odesskii楕円代数が満たすことが期待されているものは他にも存在するため、それらについて調べることも今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Feigin-Odesskii楕円代数の様々な環論的性質を明らかにしてプレプリントとして発表することはできたものの、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、予定していた研究者の招聘ができなかったため、研究の進捗に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
Alex Chirvasitu氏およびS. Paul Smith氏とのFeigin-Odesskii楕円代数に関する共同研究を継続して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスCOVID-19の影響により、予定していた研究者の招聘ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、これに代わる研究活動を実施するための旅費および必要な物品の購入に充てる。
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